« №34 バンコクで海鮮中華 | Main | №36 サービスアパートメントとは »

May 22, 2005

№35 暖かいバンコクでリハビリ

03032418


 Yさんは、大学卒業後エンジニアとして長らく勤務してきた。1999年から2001年までの2年間、バンコクに家族同伴で駐在した経験があり、定年後、2002年10月からバンコクでロングステイをしている。その滞在目的は、奥さんの病気のリハビリのためである。

ロングステイの過ごし方と今後の予定
 Yさんの奥さんは、バンコクでの駐在を終えて帰国後、脳出血を患い体が不自由になった。そのリハビリのために、寒い日本からバンコクに戻ってきた。暖かくリハビリに適していることと、日本の地域社会から離れることで、気分転換ができて精神的にも楽なことが、その理由である。現在、娘さんと3人で市内のアパートに滞在し、バムルンラード病院にリハビリに通う毎日を送っている。
 
 バムルンラード病院は、タイ在住の日本人の友人に紹介されたという。英語をはじめ日本語、中国語、アラビア語の4ヶ国語が通じる私立の総合病院である。一般的にタイの医療機関はそのレベルが高いといわれているが、同病院も医療レベルが高く、設備やOT・PT、また介護ヘルパーなどのスタッフも充実している。
 Yさんと娘さんは、奥さんを介助しながら通院している。患者ひとりに2人のスタッフがつき、毎日2時間のリハビリを続けている。だんだんとリハビリの成果が上がっていて、同病院のリハビリ技術に満足しているという。
 病院では、リハビリ中に他の患者さんやその家族と交流をしている。フィリピン、インド、バングラディシュなどのアジア系やドバイ、オマーンなど中近東の患者さんも多い。いろいろな国の患者さんやその家族と英語で会話をしたり、アラビア語を教えてもらったりしながら、交流をするのがおもしろく、楽しみになっているという。

 バンコクでは、リハビリ中心の生活になっているが、時には「タイロングステイ日本人の会」の例会に参加したり、ゴルフをしたりもする。病院と自宅の往復だけになりがちな生活の中で、旧知の友人たちとのふれあいが、Yさんを孤立させることなく、勇気づけ、癒しているようだ。
 週3回、家事の手伝いのためにメイドさんを雇っているが、娘さんがタイ語を話せるので、コミュニケーションの心配はない。看護婦さんを自宅へ派遣することも可能とのことである。
 現在の住居は、娘さんのタイ人の友人から紹介されたアパートであるが、管理人との付き合いもある。その管理人のタイ女性は、Yさん家族がリハビリのために長期滞在していると知っているので、果物や料理の差し入れやハーブ・マッサージを紹介してくれたり、何かと親切にしてくれるそうだ。
 今後の予定として、奥さんが回復してYさんが自由に外出できるようになったら、タイで再就職したいと考えている。エンジニアとして製造の現場をみてきた経験を活かして、仕事を生きがいにしたい。ゴルフなどの趣味だけでは物足りないという。

インタビューの感想
 奥さんの介護、リハビリという身体的にも精神的にもストレスがかかる生活にもかかわらず、Yさんは“ゆとり”を感じている。それはタイに対する価値観の変化からきているという。日本人から観るとタイ社会はいろいろな面でルーズなところが多いが、別な視点から観ると、そのルーズな面がタイの人たちの精神的な“ゆとり”につながっている。たとえば、病院のスタッフは明るく、楽しく仕事をしようという姿勢で接してくれるので、こちらも気分が楽になる。
 日本の介護保険による介護サービスは、仕事と割り切っているが、タイ人の方が、より人間的に接してくれる。身の回りの世話をしてもらう場合、月に1万バーツ(約3万円)という人件費を考えると、専門のタイ人の介護スタッフを雇用することも可能である。
 
 Yさんの事例には2つの大きな特徴がある。まず第1の特徴として、ロングステイの滞在スタイルが、リハビリや療養のためであること。これは、ロングステイの新しい傾向であり注目される。日本の高齢化に伴って、今後さらに増加すると思われます。
 第2の特徴として、個人を支援する人やグループの存在が欠かせないことである。とりわけ患者さんや患者家族との交流は重要である。さらに「タイロングステイ日本人の会」の個人への支援機能も見逃せない。家事や介護支援などの直接的なサポートでなくても、「日本人の会」が、精神的なサポート機能を果たしているといえるでしょう。
 患者さんや患者家族、そして病院のスタッフ、「日本人の会」の友人、さらに近所の人たちとの交流が、Yさんの精神的な支えとなっているようです。

03032418

|

« №34 バンコクで海鮮中華 | Main | №36 サービスアパートメントとは »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84814/4228763

Listed below are links to weblogs that reference №35 暖かいバンコクでリハビリ:

« №34 バンコクで海鮮中華 | Main | №36 サービスアパートメントとは »