№47 クルーズのつづき
その8
ふと目が覚めると、民家や寺院、工場など人の気配がするものが、はっきりと増えていました。少しずつバンコクに向けて下っているからです。
目覚まし代わりに、ツアーのガイドさんからココナッツの差し入れをいただく。よく冷えた果汁をストローで飲みながら、ココナッツの内部の果肉をスプーンで削って食べます。ほのかに甘い果肉、さっぱり味の果汁。しかし、実をいうとココナッツの果汁はあまり好きではありません。それは、なぜか生臭い後味が残るからです。そう感じるのは私だけでしょうか?
しばし、船尾のデッキに出てみる。川面を渡る風を顔に受け、煙突から吐き出される少し重油臭い排気を嗅ぎながら、デッキチェアーに座る。
シンハビール(タイのビールのブランド)の工場を過ぎ、バンコクに近づくにつれて、水上家屋に代わってマンションなどの立派な建物が増えてきます。中にはバブル経済がはじけて建設が中断された高層マンションもあります。
バンコク市街地に入ってくると、いくつもの橋をくぐります。右舷にトンブリー地区の町並みを見て、左舷には王宮やワット・プラケオ(エメラルド寺院)を通り過ぎます。ほどなく右手にワット・アルン(暁の寺)、左手にワット・ポー(涅槃仏寺院)が見えてきます。ここを通過するとクルーズもいよいよ終わりに近づきます。
前方にシェラトンホテル、シャングリラホテル、ペニンシュラホテル、そしてザ・オリエンタルが見えます。これらのバンコクの高級ホテルが、チャオプラヤー川に面して建っています。とりわけザ・オリエンタルは、世界のホテルランキングのトップを占める超高級ホテルです。しかし、周辺ホテルの威容からすると、こじんまりとした佇まいにちょっと驚かさせられます。
これらのホテルの手前でフルーズ船は減速し、陽が傾いた夕暮れのリバー・シティに接岸します。ここがクルーズの終点です。降り立ったとたん、ゆったりとした時間の流れから、忙しい現実の世界に引き戻されたような感じです。そう感じたのは私だけでしょうか・・・
旅情あふれる3時間の船旅、これはバスや車では味わえないものです。やはりアユタヤからの還りは船にかぎります。
8回にわたった「アユタヤ紀行」にお付き合いしていただきましてありがとうございます。 感謝
ご感想などありましたら、コメントをいただければ幸いです。


Comments