№67 介護とタイ・日本の関係
「介護の仕事 担うのはだれ」という記事が、朝日新聞に載った(2005.5.22)。日本の人口は2006年をピークに減少し始める。少子高齢化によって、年金や介護、医療の負担や給付に影響が出ることになる。それだけでなく、食事や入浴など要介護者への介護の担い手が減る可能性を示唆している。
介護を担うことができる15歳以上の労働者人口は、2025年には6300万人で、現在から300万人も減るのである。職を探す人が有利な「売り手市場」になり、労働条件が悪い訪問介護のパートのなり手は思うように増えないと予想されるという。試算によると、2025年必要とされるホームヘルパーをパートで確保しようとすると、12万人のパートが不足することになる。
“ではどうするのか”という方策がいくつか語られているが、そのひとつの選択肢として、 「外国人労働者の受け入れ」の議論が浮上してくる。
現在、日本とタイの2カ国間において、FTA(自由貿易協定)の交渉が行われていて、米や農産物など、交渉が難航している部分もあるものの、合意への最終段階を迎えているようである。これまでに日本がFTA協定を結んでいる国は、シンガポール、メキシコ、フィリピンの3カ国で、つい先日はマレーシアとの合意が報じられていた。
その内、フィリピンとの合意内容には、看護師や介護福祉士の日本への受け入れが含まれている。欧米のほか、台湾、シンガポール、香港などでも介護の分野の外国人労働者の受け入れが進んでいる。台湾では、13万人近くの外国人が介護の仕事に就いているという。
タイとのFTA交渉でも、当然タイ人労働者の受け入れの問題が、交渉のテーブルの乗っているのである。「外国人労働者の受け入れ」には、日本人の仕事が奪われたりするのではないかという慎重論もあるが、フィリピンに次いで介護福祉士の受け入れが、早晩合意されることになるだろう。
同じ仏教国で敬老の気持ちがあり、ホスピタリティーの高いタイ人の介護士が、食事や入浴など日本の高齢者の生活を支援する日もそう遠いことではないと思われる。20年後、タイ、フィリピンはじめアジアの国々から多くの介護士が、日本で活躍していることであろう。
将来わたしの面倒を見てくれる介護士は、タイの人たちかもしれないと思うと、より親近感が湧いてくるのである。


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