№74 タイ人気質“マイペンライ”
わたしは、日本人シニアのロングステイ取材を中心にバンコクに滞在するため、タイ人と密接にコミュニケーションする機会は少ないのです。一般的な観光客と大して相違はありません。しかし、日本人シニアをインタビューする時に、たびたび耳にする言葉が「マイペンライ」です。タイ語を5つしか知らないわたしが、覚えている言葉のひとつでもあります。
「マイペンライ」とは、 「気にしない」「大丈夫」「どうにかなる、なるようになる」という意味で、「ケ・セラ・セラ」に近い意味ではないかと思います。そして、最もタイ人気質を表わしていて、日本人気質との差異を一番感じる言葉なのかもしれません。
ガイドブックの「地球の歩き方」によると、自分に非があってもなくても使える便利な言葉であり、しかも都合が悪い時はいつでもこれで済まされてしまうので、外国人には評判が悪いと解説されています。この外国人とは、とりわけ日本人を指しているのではないかと思えるほど、特に駐在経験がある日本人シニアの方から、多く聞かされたような気がします。
日本人の感覚で仕事をしていると、この「マイペンライ」で済まさせられることによく遭遇するのでしょう。その結果、いらいらしたり、半ばあきらめたりしながら、次第に「マイペンライ」の本当の意味が飲み込めて身に染みてくるらしいのです。
先人は「郷に入れば郷に従え」といいます。少々強調した言い方ですが、「マイペンライ」の本当の意味が理解できた時に、真のロングステイヤーになれるのかもしれません。タイ人の「マイペンライ」な態度に出会った時は、 「江南の橘、江北の枳(カラタチ)となる」という中国の故事に倣い、自分も念仏のように「マイペンライ、マイペンライ」と唱えて、タイの習慣や環境に適応するといいのではないでしょうか。
もしかすると「マイペンライ」が、自然と理解できるかどうかが、タイという国を気に入るか、馴染めるかのキーワードのひとつかもしれないと思うのですが・・・


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