№85 シニアをサポートするカルチャースクール
住田千鶴子さん(スミタ・カルチャーセンター 代表)
住田さんは、子どもの頃10年間、タイで生活した経験がある。ご両親がタイで事業を営む企業家であったからである。日本で就職して働いていたが、高齢の母親(故人)が腰を痛めて車椅子の生活になり、身の回りの世話や介護のため、5年前にタイに戻ってきた。
タイで何かしたいと考えていたが、母親が元気な頃“ろうけつ染め”の教室を開きたいという希望を持っていたこともあって「カルチャースクール」を思いたち、4年前にスミタ・カルチャーセンターを開校した。 住田さんには、当時、高齢の両親(父親85歳)の存在と母親の介護の問題を抱えているという背景があった。「この自分の体験がきっかけになり、カルチャースクールの講座の企画や運営の下敷きになっているんですよ」という。
スミタ・カルチャーセンターの講座内容
スクールでは、タイ語のクラスやタイ料理の教室など定番の講座のほかに、複雑な路線や時刻表がない路線バスに日本のシニアでも乗れるように、 「バンコクのバスに乗ってみよう」というユニークな講座を開いている。また、ロングステイを始めて間もない人を念頭に置いて、タイの基礎知識を身につけてもらおうと、 「タイでの生活のオリエンテーション」講座もある。
住田さんは、介護の問題に関心があることから、介護関係の講座を取り入れている。具体的には、語学の講座のなかに、タイ人の介護ヘルパーを対象にした日本語コースを設置している。これはタイで介護やリハビリを受ける日本人のニーズに対応するもので、将来はタイ人が日本で介護サービスをする可能性もあるのではないか、と考えているという。
仏教国の文化や伝統を持つタイ人には敬老の気持ちがあり、介護にたいして人間的な心で接してくれる。日本の介護技術のレベルは高いけれども、人間性の面からみるとタイのほうが優れているのではないか、というのが住田さんの認識である。日本の高齢化が進み、タイでのロングステイ人口が増加すると予想されるので、これから質の高い介護サービスは欠かせない。このようなニーズを先取りして、さらに介護に関連した講座を取り入れていこうと考えている。
もうひとつのスクールの基本的な運営方針として、ロングステイをする個人に「生きがい活動」の場を提供することがあげられる。住田さんは、リタイアしてタイに長期滞在する元気なシニアに、生きがいづくりの支援をしたいと思っている。 「長年蓄えてきた技術や経験を、こちらでも活かしてもらいたいんです」。スクールが企画した講座の講師でもよいし、自分で講座を運営する教室貸しのスタイルでもよいという。
また、講座を開きたい個人も、スクールが出す新聞広告などの媒体を使って、生徒を募集できるメリットがある。これからロングステイ中に、自分の特技や技能を活かして、自分の講座を開いてみたいとお考えの方、検討なされてはいかがでしょうか。
現在講座数は増え、新しいアイデアの講座も開講されているようです。今後、ますます充実されることを期待します。


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