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July 18, 2005

№92 ニュージーランドとタイのロングステイ

    早朝のワット・アルン
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 明日19日、福岡空港からバンコクへ、1ヶ月のロングステイへ出発されるSさんご夫妻。ニュージーランド・クライストチャーチで永年ロングステイを実行されている。今回は、アジアのタイでロングステイの適地探しの体験型長期滞在である。

 Sさん(69歳)は、自身の半生を振り返りながら、つぎのような自己紹介をされた。
 「1936年、中国東北部(旧満州)ハルピンに生まれ、ロシアの人々や風物も散見される美しい混血の街並のなかで、10歳まで過ごした。終戦直前の突然のソ連軍の侵攻と、日本軍の日本人を置き去りにしての逃亡に始まる逃避行。生きて“祖国”なる異郷の土を踏むことのできた“在満少国民”の一人です。」
 「立教大学を卒業し、報知新聞社に一年間勤務。その後、父の出身地の長崎で教員になり、小学校を振り出しに中・高校での勤務を経て定年を迎えました。現在は遙か南のニュージーランドに遊行して、今なお生を愉しんでいます。」
 「妻は長崎生まれの長崎育ち。カトリックのみか原爆の幼児洗礼まで受けており、生粋の“内地”の人と言えましょうか。地元の短大を卒業し、長崎県庁に35年間奉職。定年まで3年を残して早期退職し、ロングステイに同行するようになりました。」

ロングステイの動機と実行した理由
 これまで、ヨーロッパ各国をはじめ多く海外旅行へ出かけて、ロングステイの適地を探してきた。ニュージーランドを選んだ理由はいくつかある。①南半球にあり、日本とは季節が逆になり、避寒地として適している。②オーストラリアよりも涼しく、冬でもあまり寒くない。③人ごみを避けて人口が少ないところに住みたかった。④坂道に町の長崎とは違い、クライストチャーチは平坦な町である。⑤自然が豊か。⑥治安が良い。⑦非核三原則を守っている。以上のような理由による。

 さらに、Sさんは、次のようにいう。「わたしは、満州で日本という国に捨てられた棄民です。また、同じような体験をさせられるのではないかというおそれを抱き続けている。若いときは、自分の人生や日本に対して希望を持っていたが、今は日本という国の将来に不安を感じている。たとえば、北朝鮮にしてもいつミサイルが飛んでくるのかわからない。原子力発電所が標的にされるかもしれない。また国から捨てられるという体験は、二度と味わいたくない。そうなる前に、今度はわたしの方が日本を捨てるのです。 “生活する場所と死に場所”探し をして、比較的安全な場所としてニュージーランドという国を選んだんです。」と最後にSさんが話した理由は、自身の原体験に基づいた印象的なものであった。
 奥さんが、ニュージーランドを選んだ理由を次のように付け加えた。①まず、きれいな自然環境のなかで生活できる。特に水がよい。②日本の約4分の1と物価が安く、生活費がかからない。③15年前にニュージーランドを旅行した時、豊かできれいな自然が気に入り、それ以来、定年になったら住みたいと思っていた。

ロングステイの目的と現在の状況
 1996年より、ニュージーランドの南島の最大の都市であるクライストチャーチで、ロングステイを続けている。当初のロングステイの目的は、語学学校に通って英会話を習得することであった。語学学校や隣人たちと自分たちの生活の中からの付き合いをきっかけに、地元の人たちと交流するようになり、10人ほどの友人ができた。長期滞在する日本人とばかり付き合わず、現地の人たちとの食事やパーティにできるだけ積極的に参加している。友人たちとの「心のつながり」を大切にしながら、この数年間で友好関係が広がってきた。今では、ニュージーランドの地域社会に溶け込むことが、ロングステイの主な目的になっている。
 現在、2軒の住宅を所有し、半年ずつ日本とニュージーランドで過ごす生活を繰り返している。ガーデンシティといわれるクライストチャーチで、ガーデニングや自然が豊かな街での散歩を楽しみながら生活している。また、ボランティアとしてロングステイのために訪れる日本人に、語学学校や宿泊に関する手配や情報提供などの手伝いをしているという。

 つづく

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