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September 24, 2005

№158 「豊かさ」の指数 

    まだまだ青いマンゴー
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 日本の国内総生産(GDP)は、2003年で501兆円で世界2位です。しかし世界で2番目の「豊かさ」を日本人は実感しているのでしょうか。 好きな物が手に入りお金もそこそこ貯えても、本当の「豊かさ」を感じているとは言えないのかもしれません。“生活の質”などを表した国連の「人間開発指数(HDI)」(2004年)によると、トップはノルウェー、日本は9位だそうです。

 「豊かさ」を測る尺度はいろいろありますが、7000mを超えるヒマラヤ山脈に抱かれた国、ブータンの豊かさは、「GNH」(国民総幸福)というユニークな物差しです。 Hは「ハッピネス」、幸福を意味します。34年前に鎖国を解いたチベット仏教のブータンが国づくりの目標として独自に掲げたものです。 現国王が即位した1972年に、国民総生産(GNP)をもじって導入されました。「幸福」の主な要因は、「経済発展と開発」に加え「伝統文化の振興」と「自然保護」です。
 GNPは金を中心とした物質的な指標ですが、GNHは人間社会全体の成長を表します。物質主義に陥ると精神的に貧困になる。両方のバランスがとれた社会は幸福になるという理念を持っています。 大量生産社会は、環境を破壊し地域のきずなも犠牲にする。そうした社会は人間を幸福にしないというのです。

 ブータンは九州とほぼ同じ面積で、人口は約73万人です。ひとり当たりの国民所得は660ドルと日本の50分の1にもなりません。 このような小さな国が、“拝金主義”ではない豊かさを掲げ、国の目標としているのです。ブータンにも情報化の波が一気に押し寄せ、伝統や価値観が揺らいでいます。GNHの考えも国民にそれほど浸透していなくて、理想と現実の間に立たされているのが現実のようです。
 しかし、GNHの理念は「人の豊かさとは何か」を改めて考えさせられます。これまでの日本は、GDPを中心とした物質的な豊かさを目標に経済的に発展してきました。ところが、多くの日本人はそれほどの「豊かさ」を感じていません。

 高齢社会の福祉の目標は、高齢者一人ひとりが「豊かで明るい安定した社会生活」を営むことができる社会システムを構築することです。 そのためには、近い将来、高齢者が30%にも達する日本社会では、失われてきた家族や地域のきずなをもう一度回復させることが必要となってくるでしょう。
 「物やお金」を中心とした豊かさよりも「心の豊かさ」に価値観をシフトさせることが、これからの超高齢化社会にはふさわしいと思われます。 そして、団塊の世代が2007年から定年を迎え、これまでのシニア像を変えていくでしょう。その時には、これまでの価値観を「心の豊かさ」を中心に変えていかなくてなりません。

 どのようにしたら変えられるのか、ひとりひとりがじっくりと考える時期が来ています。そのヒントを探しに、日本を離れてブータンやタイで一時期過ごすのもよいかもしれません。

 なお、ブータンのGNHについては、西日本新聞の記事を引用しています。

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