№183 キリシタンの島 天草
その6
天草の西海岸を南へ走ります。北原白秋ら5人の「五足の靴」のルート沿いの道です。切り立った海岸崖や奇岩が織りなす妙見浦や十三仏公園などの景勝地を巡りながら、大江天主堂を目指します。 白亜の立派な天主堂が小高い丘の上に建っています。鎖国時代、天草の隠れキリシタンが大江の地で信仰を続けていたのです。
昭和初期にかけてフランス人のガルニエ神父が、ここで布教に努めています。天主堂やその周辺は信者によってきれいに清掃され、ハイビスカスの紅い花が咲き誇っていました。
大江からしばらく走ると、リアス式の深く入りこんだ羊角湾が見えてきます。その湾口近くには崎津の天主堂があります。 小さな港町の家々に溶け込むようにして建っているシックな佇まいの天主堂です。この教会の一帯は日本の渚百選とかおり風景100選に選ばれていて、天草の観光ポスターなどによくその写真が載っています。
そぐそばの岸壁あたりから潮の香りがしてきます。
近所の漁師さんのお宅では、今朝揚がったばかりの太刀魚を干物にし、天主堂の前ではおばあちゃんがアジの干物や海産物を売っています。 この田舎の港町の光景に一見ミスマッチのようですが、ゴチック様式の天主堂が不思議に街と一体化しています。
崎津を後にして本渡市へと戻り、天草切支丹館を訪ねます。市内を見下ろす小高い丘に建つ資料館には、キリスト教伝来以来の南蛮文化や島原の乱の資料が多数展示されています。 なかでも天草四郎が実際に使ったといわれる「陣中旗」が所蔵されています。島原の乱のおり原城本丸にひるがえっていたという旗です。
この陣中旗は、縦横ともに108cmの旗で、中央に大聖杯、上に聖体聖餅、左右に合掌している天使が描かれています。 この旗はキリシタン軍が立て籠もる原城に攻め入った鍋島藩の鍋島大膳という武士が戦利品として分捕り、代々伝えられてきたもので、国の重要文化財に指定されています。 (資料館の説明書より)
展示されている「陣中旗」はレプリカですが、本物は年に何回か公開されるそうです。
本渡市からは不知火海側の国道226号線を通ってリアス式の海岸が美しい天草五橋を渡り、九州本土の三角港に至ります。そして熊本駅でこの旅も終わりです。
ここからまたフルムーンパスを使って、京都へと向かわれるHさん夫妻。次回は大分・国東半島や耶馬溪の旅をすることを約して見送りました。
(追伸)
国道226号線沿い、龍ケ岳町の大道港に美味しいお寿司屋さんがあります。宿のご主人に教えていただいた「よろずや」さんです。 フェリー乗り場横に平屋建ての建物の中にあります。看板もメニューもなしの寿司屋さんです。
おまかせのみで、12カン出てきます。1個で2,3個分はあろうかという大振りのにぎりに包丁を入れて2つに切ってあります。 鯛、あなごにエビなど、どれも地元の海で揚がった新鮮なネタばかりです。これに大きなお椀に入った鯛の味噌汁が付いて、なんと1300円です! 美味しい寿司と信じられない安さ。口コミで遠くからお客さんがやって来るそうです。
わざわざ食べに行く価値がありますので、お店を探して行ってみてください(0969-63-0151)。


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