№299 タイ北部の景色は秋色
お正月も近い12月下旬、タイ北部を走っていると、湿気を含んで雲が低く垂れ込めていた雨期の頃とはうって変わって空は高く、白い綿雲が浮かんでいます。 湿度が低く爽やかな気候もあいまって、日本の秋空を思わせます。
昨年8月このルートを通った時は、田植え時期を迎え農夫が忙しく働いている田んぼが広がっていましたが、稲刈りが終わって長めの株が残る茶色の田んぼに変わっています。 年が明けると二期作の米づくりが始まるのでしょう。あぜ道や遠くの原野も色を落としてすっかりセピア色です。
道路脇や河原ではススキの穂が背を伸ばし、風に吹かれて白く揺れています。 山野の木々も濃い緑色の勢いが弱まって、やや黄色味を帯びています。紅葉こそしていませんが、どこか日本の秋の風景に似ているのです。道路沿いには、焼きとうもろこし、もち米のココナッツ蒸し、みかんなどを売る露店が並び、一層秋を感じさせます。
午後陽が傾いてくると、街路樹や車の影が長くなり、道路には黒いしま模様がいくつも引かれていきます。 暑期のタイでは太陽が真上から照りつけるので、ほとんど影ができませんが、冬至に近いこの時期には影が最も長くなるのです。
チャンマイに向かって西を目指すと、フロントガラスの正面から眩しい夕日が車内に入ってきます。 夕日が逆光となって樹木や標識を黒いシルエットにして、空気だけでなく道路まですべて黄金色に変えていきます。 道路わきのススキの穂も、その柔らかい日差しを浴びて、一層キラキラと輝いています。
クリスマスを過ぎた年末のタイ北部で、秋の風情を感じたドライブでした。


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