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May 08, 2006

№377 スラムに水俣の知恵

  迷路のようなクロントイ・スラム
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 2006年5月1日の西日本新聞からです。
 タイの首都バンコク最大のスラム街として知られるクロントイ地区で、水俣病患者の支援団体が技術指導したリサイクル石鹸の製造機が、この10年間稼動し続けている。 急速な経済成長とともにさまざまな環境問題が噴出するアジアで、水俣病の公式確認から50年を迎えた水俣の教訓を生かす試みの一つといえる。

 クロントイの一角にある非政府組織(NGO)「シャンティ国際ボランティア会」 (SVA、本部・東京)タイ事務所敷地に設置された製造機の前で、ふだん作業しているチャロー・ローッパイソンさん(28)がリサイクル石鹸の作り方を説明してくれた。チャローさんはスラムの住民でもある。
 原料は、スラムの住民が持ってきてくれる食用油の廃油。高さ1mある釜に廃油を入れ、カセイソーダと水を加えて煮詰める。固まったら干して、粉砕機で粉末にする。
 廃油を持ってきてくれた住民には、代わりにこの機会で作った粉石鹸を渡す。油の垂れ流しを防ぐと同時に、合成石鹸の使用を減らすのが目的だ。
 
 この石鹸作りの技術をクロントイに伝えたのが、 「アジアと水俣を結ぶ会」 (事務局・熊本県水俣市)事務局長の谷洋一さん(57)だ。 水俣で患者支援活動をしている谷さんは、国内だけでなくアジア全体の環境問題に関心を持つようになり、1983年に結ぶ会を結成。アジア各地で公害の実態調査をするうちに、クロントイにも度々足を運ぶようになった。
 クロントイ地区での住民の生活改善に取り組むSVAと協力し、95年頃に石鹸製造機の設計と作り方のノウハウを伝授した。これが始まりだった。

 それから10年。現在、クロントイの機械で作る石鹸は年間500キロ。大半をタイ南部で無農薬バナナの生産をする生協に卸す。 もちろん、この石鹸作りでスラムの環境が劇的に改善されたわけではない。空き地にはゴミが散乱、雨になると汚水があふれる。 だが、チャローさんの顔を見ると「油ためてるよ」と声を掛けてくれる住民もいる。
 SVAタイ事務局長のアルニー・プロマさん(44)によると、タイ各地のNGOなどから「廃油石鹸の作り方を教えて欲しい」との要望が入るようになり、小型機械を車に積んで出張実習しているという。昨年は津波被害を受けたパンガー県など5ヶ所で実施した。

 この記事に紹介されているように、日本のNGO「シャンティ国際ボランティア会」がバンコクのクロントイ・スラムで活躍しています。同NGOは、プラティープ財団と並んでこのスラムの人たちを支援する代表的な団体です。
 経済成長が著しいアジアでは、経済活動の活発化に伴って、車の排ガスによる大気汚染や工場から排出される産業廃棄物などによる水質汚濁などが深刻になっている。 中国・黒龍江省などで相次いだ工場排水や爆発事故による河川汚染のニュースは記憶に新しいところです。
 バンコクもその例外ではありません。今年2月バンコクは福岡県と友好提携を結び、水質汚濁などの環境問題への取り組んでいます。このような官側の交流にとどまらず、「アジアと水俣を結ぶ会」やNGOなど民間ベースの支援があることは嬉しいことです。
 今後日本人シニアやこれから定年を迎え始める団塊の世代の中には、タイをはじめアジア各国の環境問題の改善に協力する方がさらに増えてくるのではないでしょうか。

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