№378 タイには本当にトンネルがないらしい
タイ北部 少数民族の村へ向かう途中

№196で「タイにはトンネルがない?」という記事を書きました。つまりタイの道路にはトンネルがないという意味です。
タイ全国を車で旅行した経験があるHさんによると、タイには1本のトンネルもないらしいということです。 少なくともHさんは、タイでトンネルを見たことがないとおっしゃいます。
本当にそうなのかなと思っていたのですが、チェンマイからチェンライへの国道118号線や少数民族が住む標高が1000mを超える山道を走っていてもトンネルには行き当たりません。タイ北部や東北部(イサーン地方)の一部しか走ったことがないので断定はできませんが、興味深い関心事でした。
そこで、2005年12月にもアテンドしてもらったチェンマイの旅行社のガイド、ソンブーンさんに尋ねてみました。
「タイにはトンネルはないの?」。でも反応がありません。もう一度聞き直すと「トンネルってなんですか?」と逆に質問されてしまいました。そこでトンネルについて、峠道を走る車の中で一生懸命説明するのですが、なかなか理解してもらえません。日本語の理解力が高いにも拘わらずです。
運転手のウァンさんにもタイ語で「トンネルって知ってるか?」と確認していますが、同じことでした。タイ北部を仕事で走り回っている旅行社の運転手やガイドが、トンネルを知らないし意味も分からないのです。これには正直びっくりしましたが、「タイには本当にトンネルがない」ということに確信に近いものを感じたのでした。
帰国後、インターネットでタイのトンネルについて検索してみました。やはり道路のトンネルについては手がかりがありません。 しかし、タイの国鉄にはひとつだけトンネルがあることが分かりました。それはバンコクからアユタヤやスコータイを経由してチェンマイまで行く北線にあります。 ランブーンとランパンの間にあるクンタン山に、長さ1345mのタイ唯一のトンネルがあるそうです。(北タイ情報誌 チャオより 2005.6.25)
鉄道でさえ、一箇所しかトンネルがないのです。日本とタイでは地理的条件の違いからトンネルの必要性も異なってくるでしょう。急峻な山が多い日本では、トンネルなしでは道路も鉄道も建設できないでしょう。しかし、タイに山がないわけではありません。2000mを超えるような山もありますし、もちろん峠道もあるのです。
タイにトンネルがないとすればその理由は、建設費が高くつくことと施工技術の問題ではないだろうかと思われます。その意味では、日本の土木技術力と公共事業はたいしたものです。
タイの峠道を走ってみると、どこか日本の道とは違うと感じることでしょう。どんなに標高が高い峠道でもトンネルなしで越えて行きますから、道路の勾配がかなり急なのです。その上かなり曲がりくねっています。
タイでは一般道路でも高速道路並みのスピードで飛ばしますが、急な勾配のためスピードが上がりません。 ギアを落としてエンジンを吹かして峠道を登ります。荷物をいっぱい積んだトラックなどは、峠を越えていくのに一苦労です。 上りには必ずといっていいほど登坂車線が設置されていますので、トラックなどの遅い車はこちらを登っていきます。
これまで峠道の雰囲気がどことなく日本とは違うなと感じていたのですが、その理由は“トンネルがない”ことだったのです。 トンネルのあるなしで、峠道の印象がこうも違うものなのですね。
もしタイでトンネルを見たことがあるという方がいらっしゃったら、教えてください。


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