№390 メオ族の村 その2
その2
村の中の斜面の道を歩きます。バラック建ての家が多いのですが、竹を編んで作った壁や葦でできた屋根の家も見受けられます。 所々にお土産を売る店があって、店先では民族衣装をまとったおばちゃんたちが、熱心に刺繍をしています。
手縫いされた伝統的なデザインの刺繍は微細で美しく、黒地の民族衣装を色鮮やかに飾ります。細かな手仕事で作られた民族衣装がいくつも並べてあって、どれも個性的で艶やかなものばかりです。お土産屋さんによっては、観光客が衣装を着られるところもあって、ちょうどタイ人の女性が着せてもらっていて嬉しそうにしていました。
村の奥の方には、昔ながらの竹と葦でできた民家や同じ造りの山岳民族の博物館があって、その資料から彼らの歴史や生活ぶりを窺い知ることができます。博物館の中では村の女性たちが、絹の糸を紡ぐ実演をしていました。観光用でもありますが、紡いだ緑色の絹糸は民族衣装の布地に仕上げられるのでしょう。
その周辺が植物園になっていて、緑の斜面に赤のサルビアや黄色のダリアが鮮やかに咲いています。また、その時には気づきませんでしたが、麻薬の原料になる芥子の花も観賞用として栽培されているそうです。
集落をぐるりと回ってもとの駐車場の方へ戻ってきます。途中にも乾燥させた薬草や民芸品などを売るお土産屋さんが多く、集落全体が観光で成り立っていることがよく分かります。
駐車場の前に日本人が経営しているお土産屋さんがあるというので入ってみました。東京の中野出身の男性がメオ族の女性と結婚してお店を経営しているというのです。 手作りの民芸品や民族衣装の品揃えが豊富で結構繁盛しています。とりわけ幾何学的な模様の刺し子の民族衣装が、きれいで目を引きます。
この日本人男性のアドバイスを受けて、刺繍がされた手作りの手提げバックなどを買い求めましたが、店内には他の日本人観光客も何組か土産物を探していました。
美しい民族衣装を着た店のオーナーでもある奥さんが実権を握っていて、値引き交渉もいちいち奥さんに相談しなければならないようです。彼曰く「わたしは婿養子ですから」ということでした。
さて買い物を済ませ、来る時に乗ってきたソンテウの荷台にまた乗って同じ山道を帰ります。雲の中の集落を後にして、だんだんと高度を下げて暑い下界へと降りていきました。



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