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October 27, 2006

№533 ロングステイの持つ機能とは その3

      チャオプラヤー川
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その3
 地域社会にハードランディングしないために、 “個人としての生き方”を探すきっかけのひとつとして、海外でのロングステイは有効な方法だと考えます。 

 ロングステイにはいくつかの機能があるのですが、ここではロングステイを経験した本人に対する効果や機能に焦点を当てて話を進めます。
 仕事中心の人生を送ってきた、いわゆる会社人間の男性にとっての定年後の役割実験として、ロングステイを捉えることができます。つまり、ロングステイは会社人間であった定年後の男性によく当てはまり、より効果のある限定的なモデルと考えられるのです。

 なぜなら、定年まで仕事という社会的役割を中心に生きてきた男性は、定年と同時にその職業役割を喪失するため、職業役割に取って代わる新たな社会的役割を創出する必要性に迫られます。この移行期間において、ロングステイが社会的役割を再構築(リストラクチャリング)する機能を果たしているからです。もっともこの機能は、本人がそのように意図する場合にプラスの効果を持つ機能ではありますが。

 インタビュー調査の事例から、ロングステイは、第1段階の日本での生活や社会の基盤から離れて、第2段階の海外での生活をとおして社会的役割を再構築し、第3段階である帰国後の生活で、これからの人生に活かす新しい社会的役割を再創造する機能があると考えています。
 それは、ロングステイに伴う日本の社会構造からの解放というインパクトが、本人を一旦日本社会から切り離した上で、その関係性のない海外という異文化の空間と時間を媒体として、改めて社会との関係や社会的役割を再検討する機会を与えているからです。これまでの日本社会との関係性から切り離され解放されるからこそ、これからの新しい社会的役割を発見しようとするのです。

 このように、定年後の社会的役割の縮小過程において、 「喪失と解放、再構築、再創造」というロングステイの3段階の機能が、ひとつの組み合わせとなって新旧の社会的役割をより円滑にシフトさせる機能を担っているという仮説を提示することができます。

つづく

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