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August 18, 2008

№916 メコンの夕陽 その2

    静かに沈もうとする夕陽
Dscf2347

その2
 この辺りのメコンの川幅は約200m、あくまでゆったりとした悠久の流れです。カン川の瀬音を聞きながら、傾いた陽を受けてオレンジ色の輝きを増す川面を見ていると、次第にゆっくりと時間が流れ始め、時が経つのを忘れてしまいそう。と同時に「はるばる北ラオスまで来たんだ」という実感が沸々と湧いてきました。

 西の山際の上空には雲がかかっていて、その分早めの日没になりそうです。間もなく、まだ輝きを保ったまま太陽が雲間に隠れてしまいました。すると雲の端は白い線で縁取られてシルエットになり、雲で遮られた光線の影が黒い帯となって掃いたように上空へと広がっています。そしてメコン川をオレンジ色に染めていた、もうひとつの太陽の輝きも消えてなくなり、流れは色彩を失ってしまいました。

 日没後、残照で茜色に染まる夕空を眺めようとしばらく止まっていると、低空の雲をすり抜けた太陽が再び姿を現しました。先ほどよりさらに赤みを増した太陽、ゆっくり動くのが分かるほどで、今静かに山の谷間に沈もうとしています。
 プーシーの丘からのそれが雄大ならば、ここは寂寥として人生や無常観を感じさせるような夕陽です。メコンの悠久の流れが、そう感じさせるのでしょうか。これほど胸に染み入ってくる夕陽は、これからの人生でそう見られるものではありません。 プーシーの夕陽もいいけれど、静かにメコンの流れを眺めながらのビューポイントでした。
 
 非常に細かい川砂を踏みしめながら、元来た竹の橋を心許なげに戻ります。橋を渡り切った途端、現実の世界へと引き戻されたような感じを覚えました。あの粗末な竹橋、此岸と向こう岸をつなぐ不思議な橋だったのかもしれませんね。
 街へ続く斜面をふと見上げると、モノトーンの椰子の葉影が、暮れなずむ紺碧の空をくっきりと切り取っていました。

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