« №934 タイ映画「サイアム・スクエア」 | Main | №936 ATRのフライト »

September 21, 2008

№935 タイロングステイの近況

  いつもと変わらぬソイ11界隈
016

 今年に入ってタイロングステイへの関心や需要が、停滞していると感じています。団塊の世代の大量退職に伴うロングステイ需要が期待したほどではないことに加えて、タイの物価上昇や燃油サーチャージの急激な高騰などのマイナス要因が、その理由です。
 そして最近の政情不安も影を落としていると思います。ちょうど今回の旅行中に発令された「非常事態宣言」もさらにタイへのイメージダウンを加速させることに。NHK衛星放送の「海外の安全情報」でタイの「非常事態宣言」のニュースがトップに流れてくるのですから、心配しない方がおかしいでしょう。

 そこでこの8月、改めてロングステイ・コンサルティング社代表の佐藤氏にロングステイの近況について、訊いてみました。
 「ロングステイについての問い合わせは、以前と同じくらいあります。しかし、クーデター以降の政情不安と燃油高騰のあおりを受けて、実際にロングステイを実行するお客さんは、出足が鈍く影響を受けています。
 一番の原因は、報道や外務省、大使館の危険情報で、とにかくタイ、とりわけバンコクが危険というイメージが先行しています。それに加えて、何も燃油がこんなに高い時に行かなくてもという心理が働いていて、今は様子見という状況ではないでしょうか
」。
 しかし「物価高の影響は、日本人の生活費水準からすると、限定的なものと思います。ひと頃40B/Lを超えていたガソリン価格も、今は29B/L(9月は27B台まで下落)と落ち着いてきましたし」と佐藤氏。

 政情不安だけでなく、やはり燃油サーチャージの高騰は、海外旅行客に止まらず、ロングステイを計画、準備している層にまで影響をもたらしているようです。
 わたしも、できることならこんな高い燃油サーチャージを払ってまで行きたいと思いません。取材目的というのと、この時期しかまとまった休みが取れないので仕方ないというのが本音です。出発期日を限定しない方にとって、安くなるのを待ってからというのは当然のことです。

 ちなみに全日空の成田発は、7月からタイの燃油サーチャージを往復で4万円に値上げし、タイ国際航空(TG)も7月から、福岡・バンコク往復で3万3千円と、一気に2万円もの値上げを実施しました。わたしが今回も利用したバンコク・エアウェイズ(PG)でも約2万円です。それでもPGは、燃油高騰による赤字によって福岡路線を9月末で休航してしまいます。

 最近は100ドル/バレルまで下落してきた原油価格ですが、現地のニュースによるとタイの航空各社は、当面価格の動向を見守るとして燃油サーチャージの値下げに慎重な姿勢です。値上げには敏感でも値下げには慎重ということなのでしょうか? タイへの観光客誘致のためにも、早急な対応をしてもらいたいところです。 

|

« №934 タイ映画「サイアム・スクエア」 | Main | №936 ATRのフライト »

Comments

<シニアの新しい生き方としてのロングステイ>管理者様へ; 時々、貴columnを拝見しております。 ところでNo 925号に<ロングステイ・タイ暮らしの会が解散し>とありましたが、仰るとおり紆余曲折があり'08年1月に一応解散の憂目となりました。 しかし、その後、有志で”和やかな交流”をmottoに<バンコク・ロングステイ日本人倶楽部>というのを立ち上げ、現在は50名程の会員数となっていることをご報告致します(旧会員は約60%)。 当地へお越しの節は、是非、定例会(毎月最終土曜日)を覗いてやってください。 なを、Waterford Rama 4にお住まいの会員も2家族いらっしゃいます(序でながら私は在Bangnaです)。 - バンコク・ロングステイ日本人倶楽部/世話人代表・細野拝、

Posted by: Fred HOSONO | October 03, 2008 at 06:14 PM

タイ研究で有名な「赤木攻」氏のコラムから引用。
**岐路に立つタイ日本人社会**

先月末から数日間バンコクに出かけた。膠着状態のまま存続しているタックシン派と反タックシン派の対立状態の中へ入るということで、少し緊張したが、イギリス大使館辺りで反政府デモを垣間見たぐらいであった。なぜかわからないのだが、今回の滞在では、タイに在留している日本人の方に会う機会がけっこう多かった。在タイ邦人の方の膠着状態への関心は相当高く、正常化への強い期待とタイ社会に対する諦観とを、相半ばして聞くことができた。ただ、私が気になったのは、そんな邦人の方々との懇談の中で、タイの日本人社会の現状への言及がしばしば出てきた点であった。とりわけ、タイに永く住む日本人を中心に構成されている親睦の会である「懇話会」幹部の「日本人社会は変容してしまった」という言葉に、日本人社会が岐路に立っていることを感じた。戦後のタイの日本人社会は、海外における日本人社会のひとつのモデルといえよう。そのタイで、何が日本人社会を変容させ、どんな問題を抱えているのか、少し考えてみたい。

どう考えても、変容の最大の原因は在タイ日本人社会の規模の大きさにあるといえる。1950年代半ばぐらいからアジアに復帰した日本は、経済発展を背景にアジア各地に進出を始め、1960年代には工場を現地に建設する企業も出てきた。1970年代には企業進出と日本商品の氾濫が反日運動を引き起こしたほどであった。アジア諸国の中でも比較的親日的であるタイでは、そうした経済進出とともに、在タイ日本人の数は、うなぎのぼりに増加していった。その変化を、バンコクの日本人小中学校の児童数で見てみると、約500人(1970年ころ)→約1000人(1980年ころ)→約1500人(1990年ころ)→約2000人(2003年ころ)と増加し、現在では約2500人となっている。10年ごとに500人ずつ増加してきたことになる。大変なハイペースである。このハイペースは、ほぼ在タイ日本人数全体の増加と平行していると推測される。推測であるのは、在タイ日本人数の実数は、実はどこも把握していないからである。現在、大使館に滞在届けを出している数は4万人程度といわれているが、私は6~7万人の日本人がタイで暮らしていると推測している。

この数の多さは、当然のことながら、多様化につながる。在タイ日本人をまとめてきた日本人会が、ここ数年は会員数が減少してきているというのである。2003年ころは9千500人程度に達した会員数は、今や8千500人に減少し頭打ちとなっている。日本人会といえば、タイへやってきた日本人がまず頼るところであり、同好会活動などを通し親睦を深め、タイでの生活を豊にする場であった。しかし、今や入会する者が減ってきたのである。会費は200バーツ/月で、その原因とはいえない。おそらくは、情報化が進み、ミニコミ誌が多数発行されるようになり、暮らしの情報入手が簡単で、日本人会に頼る必要がなくなったからであろう。加えて、従来は進出企業に関わる駐在員や政府機関の職員とその家族が在留者の大半を占めていたが、今や多様な背景を背負った日本人が増加した。中でも、無目的滞在ともいえる日本人が目立ってきている。ほとんど日本と同じような生活が安い費用で享受できるタイはきわめて魅力的で、なんとなくやってきて暮らしている日本人の溜まり場となっている。留学と称して通学していない若者、日本で事業に失敗し小金を持って逃げてきた者などなど多種多様である。勢い、日本人同士の間は疎遠になってきている。私はそのような現象を捉えて、「天使の都に浮遊する日本人」と論じたことがあるが、今やそうした浮遊現象は「天使の都(バンコク)」のみならず、全国に拡大しつつある。バンコクに妻と子供を残し地方の工場で働く「単身赴任」も目立っている。北タイなどを中心としたシルバーステイを含めて、滞在地も多様化してきており、日本人がいない県はないとも言われている。加えて、社会問題が沸いてきている。結婚、離婚、出産、借金などをめぐり、タイ人とのトラブルはもちろんのこと、日本人同士の犯罪も発生してきている。また、麻薬や売春などの裏社会に手を染める者もいる。

現在のところ、タイから非難されるような大事件は生じていないし、タイ人の多くは在タイ日本人を評価している。ただ、高度な情報化に加えて、高齢化、無気力若者、経済低迷、格差拡大といったここ10年の日本社会の特質が生み出した膨大で多様な人々からなる在タイ日本人社会のあり方について、そろそろ私たちは何か新しい対応を考えねばならないのではなかろうか。ちなみに、古い歴史を持つタイ国日本人会は、2013年には百周年を迎える。

Posted by: sapporo | November 15, 2008 at 09:22 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« №934 タイ映画「サイアム・スクエア」 | Main | №936 ATRのフライト »