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December 26, 2008

№985 バンテアイ・サムレ遺跡

   中央祠堂といくつかの破風
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 アンコールワット遺跡群の中でも「東洋のモナリザ」のレリーフで有名な「バンテアイ・スレイ」。その観光の帰り「バンテアイ・サムレ」に寄りました。12世紀初頭にスールヤヴァルマン2世が創建した「サムレ族の砦」の意味を持つヒンドゥー教の寺院です。

 乾燥した赤砂の道をしばらく歩くと、深い緑の中から中央祠堂の上部が見えてきました。下部は高い塀と回廊に囲まれています。
 中央祠堂の姿が、タイ東北部イサーンで見たピマーイ遺跡に似ていると直感しました。タイとカンボジア、国こそ違いますが、同じクメール文明の建造物だと思うと感慨深いものがあります。
 レリーフ(破風)を施した門に建つと、入り口の形そのままに、二重の回廊をくり貫いたように中央祠堂まで見通せるのが面白い。向こう側に立つ人物が、まるで何重もの額縁で縁取られたキャンバスに描かれた人物画のようです。

 狭い入り口を通って中へ。
 第一と第二回廊そして中央祠堂との空間には、かっては水が張ってあったとのこと。道理で回廊のテラスと地面までが深いはずです。もし水があったらどれだけ美しいだろうと、往時に思いを馳せます。

  ヴィシュヌ神と阿修羅の破風
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 第一回廊の門や第二回廊にある東西南北の塔門には、いくらか風化しているものの立派な破風があって一つひとつ見上げます。これらの破風の様式もピマーイとそっくりで、親近感を覚えずにはいられません。
 ガイドさんによると、経蔵に彫られた「8本の腕を持つヴィシュヌ神が二人の阿修羅を組み敷いているレリーフ」と「猿が阿修羅のお尻に噛み付いているレリーフ」が有名なのだとか。
 しかし盗まれたのでしょう、残念なことに何箇所かの破風は切り取られてありません。

 第二回廊のテラスを歩いてぐるりと一周。苔で緑色に変色した石の欄干には、あちこちの蛇神「ナーガ」の彫刻が突き出ていて、独特な雰囲気を醸し出しています。
 またこの遺跡には、アンコールワットでは多用されている微笑みを浮かべた女神デバターのレリーフがないので、一層重厚な印象を受けます。

 アンコールワットのように規模が大きい訳でもなく、「バンテアイ・スレイ」のように華やかさもない遺跡ですが、アンコール遺跡群の多様性と、歴史や風情を感じながら、ゆっくり見学するのもいいものです。

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