№1098 「スイカ寺」の少年僧
ルアンパバーンに数多くある寺院の中で、通称“スイカ寺”と呼ばれているのが「ワット・ビスンナラート」です。境内にある仏塔の姿が、スイカを半分に切ったような形をしていることから、その名が付いたとか。
正式名にもなっているビスンナラート王が、1513年に建立した古い寺院です。本堂の窓は、アンコールワットにも見られる連子状の格子になったクメール様式のもの。白壁にルアンパバーンでは珍しい寄棟造りの本堂、屋根を支える木製の梁が素敵な意匠となっていて、無機質なスイカの仏塔よりはずっと魅力的。
そして本堂横に竿には飾りが付いた白地の旗が風にたなびいて、いかにも涼しげです。
散策の途中、汗が引くまで菩提樹の木陰のベンチに座って休憩することにしました。菩提樹の下には仏像が祀ってあり、お供えの花で一杯。向こうの僧房では2人の少年僧が談笑しています。
時々着陸態勢に入った飛行機が上空を降りて来るのと、パタパタと旗の音がする以外は静かな境内、とても落ち着きます。
そのうち少年僧の一人が近づいて来て、日本語で話しかけてきました。わたしがノートにメモしているのと、写真を撮ったりしているのを見て関心を持ったようです。
聞けば、15歳のパイ君。上手に日本語を話します。他にも英語、フランス語、韓国語が話せるとか。滞在中、後2回も若い僧侶に話しかけられましたが、話をしてみると彼らは日本の同世代よりも勉強熱心なことがよく分かります。教育環境に恵まれない境遇でも彼らの向学心に感心しきりです。
その後、仏塔をじっくり見ましたが、それほどスイカに似ているとは思えません・・・それよりも塔のてっぺんに生クリームのホイップを載せたような形の方が面白い。
本堂の入場料は2万キープ(約250円)と、ここでも外国人料金です。拝観はせずに、ここからはカン川沿いに散歩してみることにしましょう。
Comments