September 08, 2005

№142 朝日新聞のロングステイ特集 その3

   みかんのフレッシュジュース
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その3 「ロングステイの課題」

  新聞記事によると、 「ロングステイをする際の不安事項」(ロングステイ財団調べ)について、治安、医療が上位にあります。治安はどの地区に住むかによってかなり異なりますので、慎重に選びたいものです。通りが1本違うだけで治安が違うこともあるので、現地の人に詳しい事情を尋ねることがよいでしょう。
 医療制度も各国まちまちで、概ね高額な医療費がかかりますので、日本の海外旅行傷害保険に加入することは必須です。なお、国民健康保険が日本の医療報酬基準で適用となることも知っておきたいことです。
 トラブルの対処法も不安の上位にありますが、一番多いのは不動産を巡るトラブルだそうです。日本人は、資産運用の面もあって海外でも不動産を買いたがるといいます。不動産取引は、法的にも慣習的にも一般的に日本とは異なりますので、慎重に検討しないといけません。

 タイの場合でも、不動産にまつわるトラブルの話をよく聞きます。 「タイでは、日本人は土地や一戸建ての住宅は買えないのです」。コンドミニアムなどの建物は別ですが、土地は買えないのです。
それを知っていても、現地に住んでいる悪意の日本人が、新しくやって来る日本人を騙すトラブルが絶えないと聞きます。特にチェンマイでは多いようです。 あるいは、どうしても土地を買おうとすると、タイ人の名義にしないといけませんから、「親しくなったタイ人の名義にして土地付き住宅を購入したら、乗っ取られた」といった類の話です。
 そもそも、タイ語で書かれた契約書を十分に理解できる日本人は、そんなにいないでしょう。いずれにせよ、慎重に行動しないといけませんし、タイでは初めから土地を買おうなんて考えない方がよいと思います。

 その他の心構えとして、現地の文化に触れ、しばらく滞在させてもらうという気持ちでその国と接したい、と書いています。
 また、ファイナンシャルプランナーの千葉千枝子氏は、次のように述べています。「海外ロングステイは、ライフスタイルの一部ととらえたい。どこに行きたいのか、どこで暮らしたいのかが最も重要だ」と目的意識を持つことの重要性を指摘しています。 さらに、「海外は生活費が安いから日本より贅沢に暮らせる、という理由だけで目的地を決めると、つまずきかねない」と警鐘を鳴らしています。

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September 07, 2005

№141 朝日新聞のロングステイ特集 その2

少数民族の親子 ドイステープ山の参道にて
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その2 「団塊の世代が関心?」

 8月27日に続き、9月3日に2週連続で「海外ロングステイ」の記事が特集されています。今回のサブタイトルは「団塊の世代が関心?」です。
 最近、「2007年問題」といわれる団塊の世代の定年についての動向が注目されています。 多様な価値観を持つ団塊の世代が、定年後どのようなライフスタイルを過ごすかが注目されている訳です。 たとえば国内の「田舎暮らし」「週末帰農」などと並び、海外の「ロングステイ」の関心が高まると予想されています。2004年の海外ロングステイ人口は7万人と見られていますが、数年後には10万人程度に増えると推測されています。
そこでJTBは、この10月からロングステイの一般向け窓口をオープンすると発表しました。資金づくりなど準備のためのセミナーや下見ツアーをはじめ、現地でのロングステイをサポートします。病院、銀行などの生活情報、不動産会社の紹介、緊急時日本語対応サービスなどです。
 
 記事では、まず資産運用や年金の受給を踏まえ、子どもの結婚や老親の介護などのライフイベントを入れた自分なりのライフプランを作ること、そして体力、気力ともに充実している65歳までにロングステイを実行することを勧めています。また、下見ツアーは現役時代に済ませておくのがベターだといっています。

 夫婦でロングステイに行く割合が70%程度(わたしのバンコクの2003年調査では57.6%)といわれています。「ロングステイに誰と行きたいか」のアンケート調査(2000年)では、男性は「夫婦のみで」(妻と)が75%と圧倒的なのに対して、女性は42%しかないという結果が出ています。
 しかし、友達感覚の夫婦が多いといわれる団塊の世代では、この男女間のギャップは小さくなるのではないかと思います。それよりも男女とも「ひとりで」というスタイルが増えるのではないでしょうか。わたしは、さらに個人の価値観や生き方が重要視されるようになって、はっきりとした目的意識を持ったロングステイヤーが増える と見ています。
 その一方で、「会社人間」といわれるサラリーマンもかなりいることも事実です。これらの会社人間が、すぐにロングステイを実行するとは思えませんが、海外での生活体験が定年後の生き方や人生のヒントに可能性がある と考えています。 

 2007年はもうすぐです。定年後、団塊の世代が本格的にロングステイを始めるでしょう。多様な価値観に対応し、これからの生き方のヒントになるロングステイ・プログラムを提案したいものです。

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September 06, 2005

№140 朝日新聞のロングステイ特集 

    チェンマイ門市場にて
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 その1 「費用はどのくらい」

 2005年8月27日の朝日新聞、土曜版に「海外ロングステイ」という特集記事が載りました。「費用はどのくらい」という内容です。 
 まず、ロングステイの滞在希望国について、1992年では、ハワイがトップ、そしてカナダ、オーストラリアの順、2004年では、オーストラリア、マレーシア、ハワイの順になり、ランキング外だったマレーシアが2位に、タイが5位と上位に入っています。オーストラリアが人気なのは、日本に近くて時差が少ない、英語が通じる、物価が日本より安いといった理由です。これまでの欧米志向からアジア志向がはっきりと出ています。
 また、希望の滞在期間については、一般的に2週間から多くの国でビザが必要のない3ヶ月というのが多いようです(ロングステイ財団調べ)。

 海外での夫婦ふたりの1カ月の生活費については、オーストラリア(パース)約22万円、ハワイ約35万円、フランス(パリ)約41万円、アジアのマレーシアが約16万円、タイが約14万円となっています。
 日本では、60歳以上の無職世帯の1カ月あたりの消費支出は約26万円(総務省家計調査)ですから、ハワイやパリはそれ以上になります。一方アジアはかなり安く、余裕ある生活も可能になります。3分の1とも5分の1ともいわれる物価の安さが、その大きな理由となっています。 この辺りからもアジアの人気の理由が分かります。

 タイの場合、ノービザで入国できるのは観光目的で30日以内ですが、アメリカ、スペイン、マレーシアなど、ロングステイの人気国の多くはノービザ期間は3カ月です。 ロングステイ向けのビザもあって、タイのロングステイ・ビザ、オーストラリア(リタイアメント・ビザ)やマレーシア(マレーシア・マイセカンドホーム・プログラム)にも特別なビザがあります。それぞれ、年齢や高額の預金の義務などの条件がありますので注意が必要です。

 記事では、最近よく開催されているロングステイセミナーの活用を勧めています。講義で自己資産を点検し、可能となったら旅行社が主催する「下見ツアー」に参加して、実際に希望の滞在地を自分の目で観てくることが大切です。 その後、気に入った国にノービザの範囲で「体験ロングステイ」を実行するといいでしょう。目的地を決めたら、生活費を試算し資産運用を含めた資金計画を立てることが必要です。その上で本格的なロングステイへとステップを踏んでいくことが、ロングステイを成功させる鍵といえるでしょう。

 年金暮らしでもメイドさん付きの豪邸に住む。贅沢な暮らしができるなら国はどこでもいい、という人もいるらしいと記事は書いています。しかし、物価が安いからという理由だけで、海外でのロングステイを始めても、必ずしもうまくいくとは限りません。
 一体その国で何をするのでしょうか、その国の人たちや文化・習慣とどのように向き合うのでしょうか。ロングステイに係る費用より、もっと“大切なもの”があるのではないでしょうか。

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September 04, 2005

№138 日タイのFTA合意

    タイ北部の田園風景
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 新聞記事によると、小泉首相は9月1日、官邸でタイのタクシン首相と会談し、両国のFTA(自由貿易協定)について、首脳間で正式に基本合意を確認しました。2006年の早い段階での署名を目指すといいます。
 FTAとは、国や地域の間で、関税の撤廃や規制の緩和により、貿易を自由化する協定のことをいいます。日本はこれまでにシンガポール、メキシコ、フィリピン、マレーシアと合意し、タイとは5番目の合意となります。

 合意によると、鉱工業品分野で、タイが自動車部品や鉄鋼などの関税を段階的に撤廃。日本が鶏肉などの関税を削減、エビやその加工品、マンゴーなどの果実の関税を即時撤廃するなど、両国の物品の90%以上の貿易自由化に目途が立った。
 また、ひとの移動の分野では、タイの調理人の入国条件を実務経験10年以上から5年以上に緩和されました。タイの介護福祉士、スパ・セラピスト(タイマッサージ師)は、2年以内に結論を出すことになっています。タイ側では、日本人の一時滞在や労働許可で緩和措置が取られることになりました。

 このような合意内容を概観すると、まず、果実の関税の即時撤廃は嬉しいニュースです。マンゴー、マンゴスチン、ドリアンといった日本では高価なフルーツが、来年には安く食べられるようになったらいいですね。
 第2は、タイの介護福祉士、スパ・セラピストの受け入れの問題です。2年先の継続協議となりましたが、ぜひ実現して欲しい課題です。少子高齢化で労働力の減少と介護を必要とする高齢者の増加で、今後ホームヘルパーの絶対数が不足するといわれています。
 介護福祉士や看護師など専門職については、将来受け容れていく必要性に迫られるでしょう。アジアの国で、敬老の精神と優しさを持ったタイの介護士が、日本の高齢者の介護をする日もそう遠いことではないでしょう。
さらに、タイ人のタイマッサージが日本で手軽に受けられることになるのも大歓迎です。
 第3は、日本人の一時滞在や労働許可で緩和措置の問題です。これまで詳しい内容についての報道を見ていないので、その詳細についてよく分かりませんが、ロングステイ・ビザの支給条件や、シニアがタイで働いたり、ボランティアをする際の労働許可が緩和されることを期待したいところです。
 今のところ、タイ政府はビザの発給や日本人の労働許可については、条件を厳しく規制を強化する方向にあるように思いますが、規制緩和の方向性が打ち出されたことは歓迎すべきことです。
 今後の交渉の推移を見守っていきたいと思います。

 今回のFTA合意が、日タイの人的交流を促進することは間違いのないことです。ロングステイ・ビザの条件が緩和され、シニアがその技術や経験を活かせるチャンスが増えることを期待しましょう。

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