June 08, 2009

№1069 60代の宿泊旅行減少

       天草灘の夕景
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 09年6月2日、西日本新聞の記事からです。

 政府は2日、泊まりがけで国内の観光旅行に出掛ける回数が減少傾向にあり、特に1人当たりの旅行回数が最も多かった60代では、ピークの04年度から07年度には19%も落ち込み、年1.86回だったとする08年度観光白書を閣議決定した。

 減少の背景について白書は、60代を迎えた団塊の世代が老後の生活設計や自分の健康に不安を持ち、旅行への意欲を失っていると分析。またアンケートの結果、若年層は所得や休暇の減少、家族層は教育費の増加や所得の減少、親と子どもの休みが合わないことを、旅行が減った理由に挙げる回答が多かった。

 これを受け観光庁は、各世代のニーズに合った旅行商品を開発することを提案。特に大量退職期の団塊の世代は「将来の旅行需要を牽引する層」として、長期滞在や平日旅行がしやすい観光地を作るなど重点的な対策が必要としている。
 白書によると、1人当たりの年間の国内宿泊観光旅行の回数は、20代以上の全体の平均は07年度が1.50回で、ピークの05年度から15%減。中でも60代は04年度の2.31回から19%減少した(以上抜粋)。


 60代の国内宿泊旅行の回数が、04年度から0.5回も減っているとのこと。最も旅行に出掛けることが多い世代である60代が一番減少しているといいます。その大きな理由は、将来の生活不安でしょう。社会保険庁の年金問題がよく取り上げられていた時期に合致します。
 また団塊の世代は07年に60歳、ようやく定年を迎え始めたところですから、ここでいう60代には入りません。なので同世代が、旅行の意欲を失っているかどうかは疑問です。定年を迎えたといっても、まだ働いていてリタイアしていない人も多いはず。

 政府が今年3月28日から2年間限定で始めた「土日祝、高速道路どこまで走っても1000円」、このインパクトは大きいものがあります。利用しない手はありません。まったくETCに関心がなかった私でさえ、最近ようやくETCを手に入れて取り付けたくらいですから。
 09年は、きっと旅行回数が回復することでしょう。ただ2年経過後、1000円は無理だとしても何らかの割引サービスの存続が必要です。せっかくのETCブーム、旅行熱が冷めてしまいかねません。景気対策のためだけでなく、家族そろって手軽に宿泊旅行に出掛けられる工夫や支援が求められていると思います。

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March 12, 2008

№830 定年「うつ」

     早朝、托鉢の行列
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 08年2月25日、朝日新聞の記事からです。

 「定年」。人生の大きな節目だ。
 団塊の世代が次々、定年を迎えていく。仕事に価値を求めてきた人は、体力的な衰えを感じているところへ、仕事を失う寂しさやストレスが加わる。さらに、仕事一筋だったため、地域にもなかなか入っていけない。慶大の大野教授(精神科)は「定年前後は気持ちが動揺しやすいので注意が必要です」と話す。
 
 40代後半以降の初老期・高齢期の「うつ」の特徴は、若い時の「もの悲しさ」と異なり、「何をやっても楽しくない」「おっくう」「充実感がない」などが目立つ。会社をやめた後だけでなく、定年の日が近づくにつれて、心に穴が空いたようになる人もいる。
 どうやって生きがいを見つけていくか。東京都老人総合研究所などが実施した、こんな調査がある。ボランティアや、公園の掃除や子守など地域や家庭でできる活動をしている人は、していない人より生きがいを感じている割合が3倍高かった。大野さんは「定年前から『地域で新しいことを始める』『夫婦で共通の趣味を見つける』など人間関係を再構築するすることが大切です」とアドバイスする(抜粋)。

 定年を節目に「うつ」になる人が多いというのは頷けます。「会社人間」だった人が、リタイア後地域に溶け込めないからです。定年男性の“引きこもり”も同根でしょう。
 定年を迎え、現役時代からリタイアへと移行して行きます。しかし、その過程をいかにスムーズにシフトして行くかが課題なのです。そこで必要になるのが、記事にいう人間関係を再構築するための“きっかけ”です。地域での活動や夫婦共通の趣味もいいですね。
 しかし最も重要なのは、現役からリタイアへの移行過程で「自分自身を見つめ直す」ことではないでしょうか。その上で、定年後の生き方や人間関係を再構築できるのです。その意味で海外のロングステイは、この“きっかけ”としてはお奨めです。

 日本の日常生活を離れた海外生活を通して、これまでの人生を振り返りつつ、心身ともにリフレッシュして、定年期の“うつ”を吹き飛ばしたいものです。

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January 28, 2008

№807 「市民後見人」養成始まる

     広大なメコン川をいく
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 08年1月17日の西日本新聞に「集え団塊、ボランティア精神を発揮しよう」という見出しが、目に留まりました。

 2000年に始まった成年後見制度で、親族や弁護士などがなる第三者後見人の業務を一部補うため、 「高齢社会NGO連携協議会」(高連協)がボランティアの“市民後見人”の養成に取り組んでいる。既に2年間で約3200人が養成講座を受講した。

 この市民後見人は、契約の締結・解除、不動産の処分など後見人の仕事のうち、日常生活に必要な簡単な金銭管理や相談に乗ったりする役割が期待されている。成年後見制度の仕組みや各種事務手続き、認知症の理解など18時間の講習を受けた後、仲間が集まってNPO法人を設立し、専門家からアドバイスを受けながら活動する。
 最高裁判所によると、07年3月末までの7年間で、任意後見と法定後見の申し立て件数は約12万3千件。その後見人の8割は親族で、第三者後見人は2割という。今後、申し立て件数は増えるとみられている。
 高連協による養成で実際に活動している市民後見人はまだいないが、08年2月にはNPO法人の第一号が東京都品川区に誕生する予定。広島や福岡でも設立準備が進んでおり、最終的には20万人規模が目標だ。

 高連協の共同代表で、さわやか福祉財団理事長の堀田力さんは「市民後見人への取り組みはまだまだこれからだが、いずれ頼りにされる時がくる。市民後見人を目指す人は辛抱強さと誠実さを持って、定年退職後の生きがいとしてボランティア精神を発揮してほしい」と話している。(記事抜粋)

 団塊の世代をはじめ、定年を間近に控えている年代を対象にしたアンケートでは、 「リタイヤしたらボランティアをしたい」という回答が必ずあります。しかしどんなボランティア活動があるのか、自分が何ができるのか、よく分からないという方もいるようです。
 この「市民後見人」は、ボランティア志向の具体的な受け皿として、そして超高齢社会からの要請や重要性は高まるものと推察されます。わたしの周りでも、成年後見制度に取り組むNPO法人設立の話を最近よく聞くようになりました。
 ボランティア活動で、社会に貢献したい、生きがいを感じたいと思っている方、「市民後見人」について一度調べてみてはいかがでしょうか?

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January 21, 2008

№803 定年後も働く

  水面に浮かぶアンコールワット
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 08年1月10日の朝日新聞に「定年後も働く」という記事が載っていました。その抜粋です。

 「60歳で定年になったら年金生活」は過去のこと。年金の満額受給の年齢が少しずつ引き上げられていくなかで、60代で働く人も珍しくなくなりました。フルタイムから短時間勤務まで、働き方の選択肢もさまざまです。

 仕事を探している人の割合(労働力率)は60代前半で55%、65歳以上でも20%(総務省調査)。日本の高齢者の就労意欲の高さは、世界でもトップレベルだ。
 背景には、高齢者を取り巻く環境がある。60歳から満額支給だった公的年金は年金財政の悪化を受けて、01年度から段階的に支給開始年齢を遅らしており、25年度(女性は30年度)から65歳にならないともらえないことになる。年金が満額受給できるまで働きたいというニーズは高い。
 さらに少子高齢化による働き手の減少で、現状のままだと労働力人口は30年に1070万人減ると推計されている。このため、厚生労働省は「70歳まで働ける社会」を掲げて、環境整備を進めている。

 高齢者側の事情もある。定年前の団塊の世代を対象にした調査では、働く理由(複数回答)は「生活のため」(83.9%)、「健康のため」(37.1%)など多様だ。その他の理由として「社会とのつながりを維持したい」(29.7%)、「自分の経験・能力を生かしたい」(25.6%)と続いている。

 記事にあるように「生活費が足りない」「ローンが残っている」「年金が満額になるまで」「社会貢献したい」「健康のため」と、団塊の世代の働く目的は多様です。
 また、同世代に「定年後も働く?」と聞いたところ、「働きたい」(38%)、「働きたくないが、働かざるを得ない」(27.1%)と、働くつもりの人が約65%と3分の2を占めています。このようにその理由はさまざまですが、団塊の世代の多くは、定年後も働き続けることになります。

 07年から始まった団塊の世代の大量退職によって、現役世代が急減することや、リタイヤ後何をして過ごすのかという課題、あるいはその影響などについて、いろいろと予想されていましたが、今のところ働き続ける方が大半を占めているようです。大量退職による急激な社会変動ではなく、緩やかにシフトしていくのかもしれません。
 久しぶりの団塊の世代についての新聞記事でしたが、1年前の大騒ぎで終わりではなく、マスコミはその後の状況もレポートしてほしいものですね。

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August 24, 2007

№718 団塊の世代「おとなの長旅」

   トンレサップ湖の水上家屋
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 07年8月12日の西日本新聞に、団塊の世代をターゲットにした「おとなの長旅」という記事が載りました、また13日の設立総会の模様が、NHKでも報道されました。
 
 団塊の世代の大量退職時代をにらみ、九州でロングステイの確立を目指す実証事業「おとなの長旅・九州」が10月から12月まで行われる。2回目の今年は事業規模を拡大し、別府(大分県)や平戸(長崎県)など九州の8地域で計23のプログラムを準備している。同事業を実施するのは、JTB九州やJR九州、九州運輸局、地域の窓口など計15団体。

 「おとなの長旅」は昨年、北部九州を中心に5地域で実施したが、今回は南九州にも対象を広げ、綾(宮崎県)、北薩摩(鹿児島県)などを加えた。旅行は4泊5日から10泊11日まで。プログラムは「ゴルフ三昧」「湯治」「焼き物」など自然環境や歴史文化を生かし「ここでしかできない」体験に特化した「テーマ追求型」と、将来的な移住を検討する人のための「お試し暮らし型」がある。 飲食店案内など地域の情報をきめ細かく参加者に提供する民間人の地域コンシェルジュ(案内人)を設置する。(以上)


 また、近頃発表された06年の「九州農業白書」でも、ふるさとへの回帰願望がある団塊の世代の大量退職時代を迎え、スローライフへの関心が高まってきたと分析。農業体験ツアーから就農・定住支援まで都市との交流や都市からの定住者の力を生かせば、地方の活性化が期待できると報告しています。

 今年から本格化する団塊の世代の定年退職。その大量退職を見越して昨年後半から、シニアビジネス、田舎暮らし、国内移住、海外ロングステイなどを期待する報道が数多く見られました。しかし今のところあまり大きな動きを聞きません。好景気に伴う雇用環境の改善や人手不足などによって、再雇用や再就職している方が多く、まだリタイアしている人が少ないのではと思われます。
 しかし、官民が協働して地道にこのような活動を継続することが重要です。都市部に住んでいる割合が比較的多い団塊の世代。地域の格差が拡大していると言われる昨今、地方の活性化の一翼を担うのは、団塊の世代だと思うのですが。

 福岡だけでなく、東京・大阪でも説明会が開かれるようです。詳しくはこちらまで。
 http://www.nagatabi.jp/

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June 12, 2007

№677 オトコの地域デビュー

  バンテアイ・スレイの美しい彫刻
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 07年5月31日の朝日新聞「オトコの老い支度」というシリーズに男性の地域デビューの記事が載りました。
 仕事一筋で生きてきた。昔の友だちとも疎遠になり、近所にも知り合いがいない。そんな男性が独り身になり、老いを迎えると・・・。
 内閣府が昨年1月、65歳以上の男女約2800人に聞いたところ、一人暮らしの男性は近所付き合いが「ない」は24%(女性7%)で、「訪ね合う相手がいる」は15%(女性39%)だけ。「親しい友人がいない」は41%(女性22%)にのぼった。女性よりずいぶん孤独な生活を送っている。

 宇都宮大学の廣瀬教授は、各地で退職後の男性の「地域デビュー」を支援する活動にかかわっていて、女性の反感を買ったり、男性同士でぶつかったりするケースをよく見るそうだ。 「プライドを持って仕事中心に生きてきた男性が、急に『ただのオヤジ』にはなれない。会社では我慢してでも付き合うのが普通だったが、地域では嫌な人と思われれば相手にされなくなってしまう」。
 「地域デビュー」で嫌われるタイプ。たとえば「私が海外に行った時は・・・」という「自慢話型」。「~という見方もあるが・・・」という「評論家型」。つまり自分の考えは出さないこと。「女はみんなそうだから・・・」という「人権無視型」。そして最後に「長話型」の4つ。
 
 地域に入っていくポイントは何か。経験者の声を集めて「地域デビュースタートブック」を作った廣瀬さんにアドバイスしてもらった。
 第一に「教えてやる」という考え方を捨てること。ボランティアに参加しても障害者や外国人に対して「助けてあげる」という気持ちが強いと「お礼を言わない」「頑張りが足りない」と不満に思ってしまう。求められているのは、指導者ではなく友だちだ。
 第二に、人の話を遮らずに最後まで聞くこと。まちづくりグループで、ある男性の態度について「頭ごなしに言い過ぎる」と女性たちが反発し、打ち解けるのに2年ほどかかったことがある。女性は地域の先輩。意見を尊重しないとうまくいかない。
 第三に、相手を避けずに、時間をかけること。中高年の男性同士は一度ぶつかったら決別しやすい。でも「これから嫌なことを言う。後で飲みに行ってくれ」と口説いて仲が深まったケースもあるそうだ。「時間がかかって当たり前。相手を避けないことが大切です」と廣瀬さん。

 今年から始まった団塊の世代の大量退職。定年を迎えて「地域デビュー」を果たして、自分が住む地域社会に無事ソフトランディングできているでしょうか。廣瀬教授のアドバイスは貴重な示唆を含んでいます。「地域デビュー」するには、長年の会社生活で染み付いたプライドを置いといて、一人の個人として地域の方と付き合うことができるかがポイントになります。
 また“女性は地域の先輩”、なるほどその通りですね。女性の話をよく聞いて、意見を尊重しながら付き合っていると、案外うまく「地域デビュー」できるかもしれませんね。

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May 31, 2007

№670 団塊よ、海外で奉仕を

アンコールワットからジャングルを望む
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 07年5月24日の西日本新聞に「シニア海外ボランティア」の募集枠が拡大されたとの記事が載りました。

 オヤジたちよ、大志を抱け―。政府開発援助(ODA)を基に途上国を支援する国際協力機構(JICA)は、青年海外協力隊の“中高年版”「シニア海外ボランティア」の募集に力を入れている。政府方針で本年度は2割強を増員。ターゲットは大量退職が始まった団塊の世代だ。高度成長期を生き抜いた彼らの知識・経験を生かし、同時に「第二の人生」の受け皿にする一石二鳥を狙うが、説明会の参加者は伸び悩み気味。JICAはPRに懸命だ。

 「妻は一緒に連れて行けるのか」「現地の安全対策は万全なのか」。今月北九州市で開かれたシニアの説明会。50代前半を中心に32人が参加、真剣な質問が矢継ぎ早に飛んだ。
 シニア隊員は、40歳から69歳までが対象。医療・保健・社会福祉・農林水産など9分野で春、秋の年2回募集。隊員になれば主に2年間、途上国に滞在し活動する。
 再チャレンジ支援策を打ち出している安倍内閣は団塊の世代ら中高年の活躍の場を広げるため、シニア制度に注目。募集枠を約500人から約620人へと広げた。
 これに合わせ、JICAはシニアの選考基準を変更。語学よりやる気や経験に比重を移し、合格者の語学力を向上させるため派遣前の長期研修を導入。国内の施設に65日間泊まり、210時間学ぶ。「語学が苦手な人もトライしやすくなった」とJICA。

 門戸を広げた今春の募集状況が注目されているが、九州各県で4~5月にあった募集説明会の参加者は計284人と過去7年間で3番目に少なく、昨秋より微減した。九州での説明会の状況を見る限り、シニア制度への関心が高まっているとはいえない状況だ。
 背景として聖徳大の福留教授は「競争社会で生きてきた団塊の世代には、ボランティアなど地域活動の素地があまりなく、二の足を踏んでいるのでは」と推測。またJICAはPR不足を認めた上で「国内の製造業の好転により、再雇用されて工場のある中国などに赴く技術者が少なくない」と“競合”も指摘する。

 「海外で自分の力を試したい」「日本で働いていた時よりも成果がよく見える。現地に貢献できたとの実感が得られ、うれしかった」など希望者や経験者の率直な感想も。
 JICAでは「海外での活動をぜひ、後半生の選択肢に入れてほしい」と呼びかけている。


 説明会の参加者が伸び悩んでいるとは意外でした。団塊の世代が定年を迎え始め「シニア海外ボランティア」は、有望なリタイア後の選択肢だと思っていたからです。国内景気の回復と若年層への技術の継承の問題等から、定年延長や再雇用される方が多いのかもしれません。またPR不足もあるのでしょう。
 実は数年前に1度、募集説明会に参加したことがあります。会場は熱心に説明を聞く参加者で盛況でした。しかし、募集分野が限定されていることや語学力などかなりハードルが高くて、希望者のせっかくの意欲が萎えてしまうのではと感じた記憶があります。ただ今回は、選考基準を語学よりも“やる気や経験”に比重を移しているそうですから、意欲のある方が海外で活躍するチャンスが増えることを期待したいものです。

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May 18, 2007

№662 団塊、アジアへ行く

 屋台での朝食 シェムリアップにて
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 07年5月12日に朝日新聞からです。
 団塊の世代よ、めざせアジア―。定年を迎えたが「まだまだやれる」というシニアたちが、ものづくりの技術や管理能力に長けた人を求めるアジアの企業に、新しい活躍の場を求め始めた。

 「現地の人たちと一緒に苦労しながら、新しいことに取り組むのがおもしろい。収入は落ちても興味は尽きません」。3度目のアジアを目指す理由を神奈川県の男性(59)はそういう。55歳の時、外資系会社を選択定年で辞めた。3人の子どもはほぼ独立し、住宅ローンも払い終わっていた。体力のあるうちは別の仕事にチャレンジしたかった。
 工場の管理職経験を活かし、中堅の金属加工会社に短期に雇われ中国・広東に派遣された。ここで知り合った人の紹介でシンガポールの企業に移り、コンピューター機器の組み立て工場設立に1年間奔走した。元々英語はできる。工場長として営業もこなした。深夜残業や徹夜が続いたが、達成感の方が大きかった。
 帰国して1年。またやる気がみなぎってきた。「今度は3~4年の仕事なら国は問わない」と、人材会社に相談中だ。

 都内のノンバンク系で働く男性(59)は、行員時代に駐在したインドネシアカマレーシアで、総務・人事系の職を探している。人材会社に登録して、仕事が見つかれば早めに転身するつもりだ。
 今の会社には雇用延長制度があるが考えていない。行員時代の年収は1500万円、今のノンバンクでも800万円。高収入と引き換えに、上司にもお客にも気を使い頭を下げてきた生活に別れを告げたい。
 「会社のしがらみを断って、もう一度海外に飛び出したい。体力が十分あるのはあと数年。お金と仕事の楽しさなら、今度は楽しさを選択したい」

 人材会社も、団塊の世代に注目し始めた。3月下旬、東京で「団塊の世代、技術者のためのアジア転職セミナー」が開かれた。現地の就労事情や生活環境を説明。団塊の世代を含む40~60代の15人に「日本の成長期を支えてきたみなさんの技術や経験を伝えていただきたい」と呼びかけた。求人の大半は日本企業の現地法人だ。自動車部品や電機メーカーの技術職、工場の管理職など製造業が多い。「どの程度の専門知識が必要か」「住宅事情は」などの質問も相次いだ。
 別の大手人材会社では「日本人技術者への需要は多いが、現地の給与水準だとミスマッチもおきる。定年を迎えた人なら働き盛りよりも給与を低く抑えられ、人材不足の緩和に役立つ」という。
 賃金などの条件が折り合えば、現地面接に進む。紹介料は求人企業が払い、求職者は一般的に無料だが、面接のための渡航費などは自己負担が多い。 


 定年を迎えてもバリバリ現役の団塊の世代。就職を希望する側としては、ある程度の水準の待遇でまだ働くことができる。一方の企業側は、豊かな経験や技術を持った団塊の世代を割安に雇用できるということで、双方にメリットがあるようです。
 必要とされる技能や経験を海外で活かせるのであれば、本人にとっても幸せなことでしょう。ボランティアではなく現役として働く、その場がアジアにあるのであれば思い切って飛び出すのもいいかもしれません。仕事を続けながらも、これまでの日本のしがらみから解放されて、人生の楽しさを得られるのかもしれないのですから。

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April 12, 2007

№641 公民館デビュー

      大阪造幣局の桜
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 07年4月1日の朝日新聞の記事「団塊よ公民館へ行こう」からです。福岡の西部ガスから九州大学に出向している加留部特任准教授が紹介されています。

 何をすれば、生きがいのある充実した第二の人生を送ることができるか。「団塊の世代」が大量退職する07年を迎え、リタイア後の生活に不安を抱く人は多い。そんな悩める退職者に「公民館デビュー」を勧めている。定年後、組織を離れて暮らす時間は約20年間。この長い期間を生き生きと過ごすために訴えるのが「地域とのつながりを持つことの大切さ」だ。

 「公民館デビュー」とは、母親が我が子と近くの公園に行く「公園デビュー」の退職者版。団塊の世代の多くは、20歳前後からのほとんどの時間を、会社や団体などの組織に属してきた。定年後の「生きがい探し」の第一歩として、地域交流の場である公民館に足を踏み入れてみよう、という試みだ。
 「一人でできる趣味もいいが、仲間がいれば会話も弾み、酒を酌み交わすことだってできる。会社とは違う世界が広がっている」

 定年後の生きがいづくりとして、NPOやボランティア活動が受け皿にならないかとも考える。「やりたいことをやる。やりたくないことはやらないのがボランティア。まずは地域に目を向けてみることが、社会とのつながりを始める第一歩。まずはゴミを出すことからでもよいので、地域に出ることから始めてみてほしい」

 №636,637「ロングステイは肩書き外しのトレーニング」でも書きましたが、「会社人間」だった男性が、定年後どうやって「地域人間」に変われるかは大きな課題です。そのきっかけやどのように定年後の生き方を見つけてよいのか分からないという方も少なくないでしょう。
 その第一歩として「公民館デビュー」というのもいいかもしれませんね。公民館というと地域の自治会・町内会の集会や会合に利用されるだけでなく、趣味や運動などの各種教室の場にもなっていることが多いはずです。まずは自分が関心の持てる教室に参加して、地域の仲間や顔馴染みを作ることから始めてみるのもいいでしょう。
 ただし現役時代の肩書きは置いといて、一人の個人として地域の方と接することを忘れてはいけません。

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January 28, 2007

№594 団塊、帰郷足踏み

  バンコクのクロントイ市場にて
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 07年1月8日の朝日新聞に「団塊、帰郷足踏み」という記事が載りました。

 団塊の世代の大量退職が今年、始まる。地域経済が停滞する地方は、潤沢な金融資産を持つ団塊の世代を呼び込んで再生の起爆剤にしたいともくろむ。同世代の約半数は3大都市圏に住んでいるが、シンクタンクの推測では、引退に向けて生活拠点を移すのは、わずか1%程度、というものです。

 団塊の世代は、進学や就職を機に地方から大都市に出てきた人が多く、定年後、帰郷も考えなくはない。衰退著しい地方の自治体は、団塊の世代の帰郷に期待を寄せる。「団塊1人が移住すれば、住宅購入や観光などの支出にと、1億円の経済効果はある」との話も。
 しかし、自治体の思惑通りにいきそうにない。国立社会保障・人口問題研究所の「都道府県の将来推計人口」に基づき、大和総研が団塊の世代を含む55~59歳層の2015年までの分布の変化を調べた結果、増加する都道府県全体で上昇率は0.9%。県境を越えるのは計9万人にとどまるといいます。

 例えば東北の団塊の世代の場合、10代後半から20代前半にかけて主に東京圏へと移り、その後ほとんど戻っていない。その背景について、慶応大学の大江教授は「妻が地域社会でネットワークを築いているのに加え、首都圏に住む子どもの子育てを手伝うようになり、夫が戻ろうと言っても賛成しない」と指摘する。 

 その一方で、団塊の世代には移住希望が多いとのデータもある。国土交通省が団塊の世代の今後の居住動向について調べたところ、東京圏では移住希望者が40%いた。しかし、大江教授は「実際に移動した、あるいは必ず実現できるという人は、3.1%。60歳を過ぎても働きたいと考える人が多く、仕事を探す上でも移住に踏み切る人はわずかだろう」とみる。


 団塊の世代の定年後の居住地や生き方については、いろいろな調査やデータがありますが、これまでの世代以上に、団塊の世代が国内移住をはじめ、海外ロングステイや海外移住を実行に移すのでは、という予想が多い中、今回の調査は、意外な感じがします。県外への移動が、9万人というのは少ないのではという印象を受けますね。
 しかし、奥さんの意向が大きいという点は頷けるものがあります。海外ロングステイの調査でも、奥さんが反対した場合、実行に移されないケースがよくあるからです。ご主人がロングステイを計画しても、奥さんが趣味の仲間や友人、ボランティア活動など、地域でのネットワークから離れるのを嫌うからです。ましてや海外での生活に関心がなかったり、現地での滞在目的がなかったりすると、なおさらです。
 
 さて、団塊の世代が定年を機に、田舎暮らしを始めるのか、そのまま大都市に住み続けるのか、注目していきたいと思います。
 

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January 19, 2007

№589 団塊の世代 異国で「自分」探し

  チェンマイのサンデーマーケット
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 朝日新聞の正月版の特集「個性輝く団塊」に、 「海外移住」の事例が載っていました。

 フィリピン南部のミンダナオ島。Tさん(56)と奥さん(61)が島の中心都市ダバオに移り住んだのが05年1月。
海外移住を考えたのは、「年金だけでは日本で暮らせない」という不安、そして「子どもたちに面倒を掛けるわけにはいかない」という思いだった。
 海外旅行好きな奥さんが提案した。奥さんが年金受給者となる60歳をめどに、Tさんは早期退職。大手企業関連会社の経理担当で遅くまで働き、不規則な生活とストレスで体重が増えた。年金で暮らせるのなら仕事を辞めるのは惜しいと思わなかった。
 天井が高く、大きな窓の一軒屋は家賃5万円弱。それ以外の生活費は、2人で10万円ほど。その予算内で週に2,3回はゴルフを楽しむ。規則正しい生活と心の余裕。当たり前のことを取り戻しただけで夫婦は変わった。
 いずれ介護が必要になったら、フィリピン人の介護士を雇う。日本より安心だ、と夫婦の意見は一致した。
 2人は、ここで居心地のいい自分を探し当てた。

 Tさんは、「自分らしい生き方ができるか」が、海外移住のポイントのひとつだとアドバイスしています。「自分らしい生き方」や「自分探し」のきっかけやヒントを見つけるための手段として、海外のロングステイは有効だと、わたしもそう思いますし、これまでこのブログにも書いてきました。やはりロングステイのこの効用や機能を実感している方がいらっしゃるということは、心強いかぎりです。
 ロングステイを通して、自分を見つめ直し、自分探しをしてみる。その結果、「自分らしい生き方」を見つけたり、取り戻すことができるならば素敵なことです。そこから“本当”の第2の人生が始まると言っていいでしょう。

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January 18, 2007

№588 団塊の世代 次の生き方は?

 イサーン地方 ピマーイ遺跡の彫刻
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 朝日新聞の正月版の特集「個性輝く団塊」から、団塊の世代・約4万人(5141人回答)を対象に実施したアンケートの調査結果を紹介したいと思います。
 
 男女共学で平等を意識し、「全共闘」で政治に目覚め、「企業戦士」として高度成長を支えてきた団塊の世代は、第2の人生を前にどこに向かうのか? についてのアンケートです。

 最も興味深い項目は、「第2の人生で一番やりたいことは?」という質問に対する回答です。
第1位は「趣味に生きる」(30.8%)、第2位に「これまで通りに近い仕事を続ける」(18.3%)と、上位を占めています。
 これに「長旅に出る」(11.0%)、「社会貢献(NGO活動など)」(8.6%)、「海外移住または海外ロングステイ」(7.1%)、「田舎に引っ越す」(5.5%)と続きます。「長旅」「海外移住・海外ロングステイ」「田舎暮らし」が、予想以上に上位にランキングされていて、これらを合計すると、23.6%と約1/4近くにもなります。他の世代との比較はありませんが、団塊の世代の「旅行や移住など」への志向が強いことがよく分かります。

 一方、「最も腹を立てていることは?」との問には、 『年金問題』が多くあげられています。 
 「年金保険料を掛けさせるだけ掛けさせ、受給人口が増えるからと受給額を引き下げる」「団塊の世代は社会を牽引してきたのに、超高齢社会をもたらすお荷物のように見なされ我慢ならない」など、年金に対する不満や不安の声が一番多いといいます。
 定年後の生活費を考えた場合、年金だけでは暮らしていけないという『年金不安』が、「田舎暮らしやロングステイ」志向の背景にあるようです。現在のロングステイ志向も、将来の年金不安がその動機や理由のひとつになっているといわれていますが、団塊の世代を契機にして、その傾向はますます顕著になっていくと思われます。

 さて、あなたの次の生き方とは、「趣味に生きる」「就職でまだまだ仕事」「起業でまだまだ仕事」「地域コミュニティなどで社会貢献」「田舎暮らしやロングステイ」のどれを選択しますか?

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January 16, 2007

№587 団塊の世代 地域デビュー

      「えんがわくらぶ」
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 朝日新聞の正月版の特集「個性輝く団塊」から、参考になる事例をいくつか紹介したいと思います。
 
 東京都江東区のTさん(63)は、区の審議会のほかにサークル活動やボランティアなど、60歳で会社を退職してから始めた活動に、会社時代とは違う充足感を感じている。
 会社時代は、朝早く出て深夜に帰宅する「仕事人間」。だが59歳の時、重度の糖尿病を発症した。入院はしないで出勤したものの、定年延長せずに背広を脱ぐ選択をした。最初は治療に専念し、仕事のストレスからも解放されたからか、体調はみるみる回復した。

 気持ちに余裕が出てきた時、 「シニアライフアドバイザー」のことを思い出した。中高年の人生相談などを受ける民間資格で、98年に講座を受けていた。「関東シニアライフアドバイザー協会」に入会し、03年に仲間と企画したのが「定年後の居場所」がテーマの講演会だった。
 居場所・・・・・。自分の周りにも、退職後、家にこもりがちな人は多い。「仕事一筋」で地域に知り合いがいないと、「地域デビュー」も難しい。自分の居場所探しの思いもあり、今度は区の男女共同参画と介護の審議会の委員に公募、「元気シニアの社会参加」の提言書も出した。

 踏み出したステップは次へとつながり出す。娘と同じ30代もいるが、対等な関係だ。「地域で会社時代の肩書きは通用しない」と思う。「わたしの場合、病気をしたから『会社人間』の自分をうまく断ち切って、切り替えられたと思う」。さらに「考えるより一歩を踏み出そう」とアドバイスしています。

 実はわたしもシニアライフアドバイザーです。同じ仲間が主宰するシニアの地域活動グループ「えんがわくらぶ」に加えていただき、微力ながらお手伝いをしています。「えんがわくらぶ」は地域のシニアが集まり、パソコン教室から小学生との昔遊びや給食交流、そして三世代間の交流まで、多様な活動が行なわれています。まさにシニアの地域社会における「居場所」を提供しているといってもいいでしょう。
 中には、定年退職後、自宅に引きこもりがちだった男性が、「会社人間」から「地域人間」へ、つまり“地域デビュー”を果たした会員さんもいらっしゃいます。それには肩書き抜きの一人の人間として、地域の方と付き合えるかが鍵になります。

 また、Tさんのアドバイスにもあるように「最初の一歩を踏み出す」ことが重要だと、タイでロングステイをしている方々から教えられます。一歩を踏み出すとは、ちょっと「やってみる、行動してみる」ということです。自分でやってみると疑問が湧いたり、直接の経験につながります。そしたら自然に二歩目、三歩目が踏み出せて、次のステップへ進むことができるのです。これを続けていけば、気づいた時には、あなたも「地域デビュー」を飾っているはずです。

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January 11, 2007

№584 07年 団塊の世代 定年を迎える その2

      天草灘の夕景
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その2
 全国各地の「団塊世代の争奪戦」はとっくに火ぶたが切られている。島根、北海道、秋田などなど。背景には農山村部の深刻な過疎化と高齢化がある。全国の就農者の半分以上が65歳以上で、主力は70代だ。

 都会で生活していた人が移り住んでくれることは、地方の人にとって大きな刺激にもなる。移住者が持つ都会の消費情報が、農産物の産地間競争を生き抜くヒントになるからだ。それが地方の再生・活性化につながってくる。
 幸い団塊の世代の田舎志向は非常に強い。都市住民対象のアンケートでは、4割の人が「定年後はふるさと暮らしをしたい」と答えた。
 しかし、都会育ちのサラリーマンが「晴耕雨読」の夢だけでゼロから農業を始めるのは非常に難しい。甘い気持ちを捨て、一流のプロ農家を目指す覚悟で準備し勉強することが必要だ。

 戦後の高度成長を担ってきた団塊の世代は今、田舎に移り住み、新たに地方の農業と日本の「食」の再生の担い手となることを期待されている。団塊の世代にはリタイアはないのかもしれない。

 現在、耕作が放棄されている農地は38万ヘクタール。中国・四国の全耕作地に匹敵するといいます。それほど農山村部では過疎化が進み、農業の担い手がいないのです。ましてや人口減少時代に入った日本社会です。そのため、地方それも農山村部の過疎化は、一層拍車がかかりそうです。日本を象徴する美しい里山の景色や自然も少なくなっていくのでしょうか。
 そこで脚光を浴びているのが、団塊の世代という訳です。人口減に悩む農村に中高年を移住させ、農業の復興と地方の再生を図ろうとする「団塊世代『100万人農村移住』大作戦」という国民運動もあるそうです。
 団塊の世代が、農業に限らず地域社会の主要なメンバーとして、地方を活性化させる一翼を担っていくことができるのなら、これから迎える超高齢化社会は、豊かで成熟した社会になると思うのですが。

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January 10, 2007

№583 07年 団塊の世代 定年を迎える

   原城址から雲仙岳を望む
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 今年2007年、いよいよ団塊の世代が定年退職を迎え始めます。新聞やテレビなども「団塊の世代」の特集を組むことが、一層多くなってきました。
 05年から人口減少時代に突入した日本社会です。団塊の世代がリタイアし始めると現役世代が減少すると同時に、近年の少子化と相俟って本格的な超高齢化社会へとシフトしていくことになります。集団である同世代の動向が、これまでもそうであったようにこれからも大きな影響力を持っているのです。その意味で、団塊の世代が定年後どのような生き方をしていくかについて、引き続き注目していきたいと思います。

 さて、朝日新聞が発行する「NEXT‐AGE」(06VOL.5)に「めざせ 定年ファーマー!『団塊さん、いらっしゃい』争奪戦」という記事が特集されました。

 「快汗農業!」「北の大地で自分探しを」「空と土の間で生きるという選択」― こんな誘いのキャッチフレーズで、07年からリタイアが始まる700万人の団塊の世代を狙っている。人口減にあえぐ全国の市町村が、人材として丸ごと求めているのだ。
 
 農水省は07年から、その名も「人生二毛作」事業を始める。定年退職した団塊の世代に第2の人生として農業を勧め、過疎が進む農山村に移住させようという計画だ。
 具体的には、次の3段階の作戦を取る。
① まず農業に関心を持ってもらうため、田舎暮らし体験ツアーや、通いながら野菜作りをする市民農園への参加を勧める。
② 住宅付きで、週末だけ農村に泊まる滞在型市民農園へステップアップ。
③ 独立して営農するか、農業法人で働くかの道を選択、農業者として農山村に住み着いてもらう。
 
 市民農園や空き家・遊休農地の情報提供をしたり、住む家や耕す農地を市町村が貸したり、農機具の購入費を助成したり、農業技術を学ぶ帰農塾や就農準備校を各地に作ったり・・・・・と至れり尽くせりの政策を用意している。

つづく

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December 20, 2006

№569 団塊の世代の地方移住

  スパンブリーのリゾートホテル
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 06年12月9日の朝日新聞「団塊さん いらっしゃ~い」という記事からです。
 来年から退職期を迎える「団塊の世代」を念頭に、人口減に悩む自治体の間で地方移住を呼びかける競争が激しくなっている。とりわけ、誘致策の鍵として「ちょっと暮らし」「田舎暮らし体験」などの“移住お試し体験”事業が大はやりといいます。移住という高いハードルを越えるための助走として、まずは一度「いらっしゃい」という戦術だ。

 ちなみに今後5年間の全国の地方移住の経済効果は、「完全移住」が4万5千世帯で0.4兆円弱。これとは別に、都市部の不動産を維持したままの「2地域居住」が45万世帯で、約1.1兆円。合計で1.5兆円もの経済効果が期待できるという試算があるそうです。

 そのため全国の自治体が競って団塊の世代の誘致合戦を繰り広げているという訳です。その中でリードしているのが北海道。道内の市町村と協力して“お試し移住”に積極的に取り組んでいます。
 今年11月には、東京、大阪で開催された「北海道暮らしフェア」には約2500人が訪れ、地方移住への関心の高さをを示しています。

 他方、愛媛県は「まずは足を運んで現地を知ってもらうのは交流事業で、移住はその拡大」という考え。そして、今年始めたのが「移住体験モニターツアー」。3泊4日で、古民家や段々畑の見学、みかん狩りやうどん打ち体験のほか、2夜は地元住民との懇親会が組まれています。
 募集パンフには「移住相談窓口一覧」があり、南伊予地域の9市町の連絡先、担当者が載っていて、自治体の意気込みが窺えます。

 これ以外の県や市町村でも、独自のお試しプログラムを組んで、移住体験事業が盛況です。多くの地方の自治体は人口減に悩んでいて、定年を迎え始める団塊の世代の移住事業が、その解決策として脚光を浴びているのです。団塊の世代の“田舎暮らし”志向と相俟って、地方移住がちょっとしたブームになるかもしれません。
 海外のロングステイでもそうですが、ミスマッチを予防するためにも、“移住お試し体験”は大切なことだと思います。そのためには誘致する自治体は、魅力ある地域づくりをすることがポイントになりますし、移住する団塊の世代も、その地域を活性化するような生活や生き方をしてもらいたいものです。

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December 08, 2006

№561 九州で長期滞在型観光の実験

   島原の武家屋敷の街並み
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 06年12月3日の西日本新聞の記事からです。団塊の世代の大量退職に伴い、1週間以上の長期滞在型観光の市場拡大をにらんで、国土交通省がその実証試験を九州で実施した。
 別府、阿蘇、佐世保・波佐見、五島、雲仙の5地域で、温泉めぐりや史跡めぐり、農漁業体験など、その地域の特色を生かしたテーマ型体験メニューを用意し、参加したモニターのアンケートなどによって、九州の長期滞在型観光の可能性を探った。

 参加者は60代を中心とした中高年の47名。そのアンケートによると「8割以上が満足」と回答し、概ね好評を得ている。 しかし課題もあるようです。まず、参加者が少ない地域もあり、他地域に真似のできない魅力的なプログラムを提供しないと集客できないこと。次に、交通手段や受け入れ態勢が十分整備されていないこと、などです。
 さらに長期滞在型観光は、国内では北海道が先行していて、マレーシアなど海外のリゾート地も人気なことから、集客には情報発信やPRにさらなる工夫が必要だと言っています。

 当初、首都圏からの参加者をターゲットにしていましたが、実際はその半数が福岡を中心とした九州内からだったといいます。これから「自宅から3時間以内の近距離圏で、二地域居住を求め“第二の故郷”を探す人が多いようだ」と分析しています。 

 今回の実験とアンケートから「自宅から近い場所へのニーズが意外に高いこと」が分かりました。このことは、遠くの海外などでなくても、魅力的な滞在プログラムが充実していれば近くでも集客できること、普段は都会暮らしをして、 “週末には気軽に行ける田舎暮らし”というような潜在的なニーズがかなりあること、などを示唆しています。
 
 そして“田舎暮らし志向”の高まりと相俟って、 「現役時代は週末だけでも、リタイアしたらそのまま田舎暮らしへと移行する人たち」も増えてくることでしょう。その意味で、長期滞在型観光の体験をきっかけに、田舎暮らしを志向した国内移住へと発展していく可能性もあります。 あるいは、国内版ロングステイのひとつのスタイルになるかもしれません。
 それには、新聞でも指摘しているように、地域住民のホスピタリティなど受け入れ側の“地域の魅力づくり”が大きな課題になるでしょう。

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December 05, 2006

№559 どこに住むか選ばれる自治体 その2

   バーン・クワイ・リゾートにて
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その2
 財政が破綻した夕張市の事例でも分かるように、大幅な住民への課税負担増や行政サービスの低下を招いていて、多くの住民が逃げ出すように他の市町村へ転居しています。
 また、介護保険制度についてみると、他の公的社会保険と異なり自分たちの住む市区町村が、保険者となって介護保険制度を運営しています。したがって市区町村の運営状況によって、我々の支払う保険料が異なります。
一般的に高齢者率が高く、要介護の高齢者が多い自治体ほど、介護費用が嵩むために保険料も高くなりがちです。

 “地方の時代”と言われて久しいのですが、小泉政権の三位一体の改革によって、少なくとも制度や運用面についての地方分権が確実に進むことは間違いありません。これは「地方でできることは地方でやる」という方針に基づいていますが、言い換えると「地方自治体は自己責任で地方自治を行わないといけない」ということです。
 これまで国の言うことに従っていれば良かった時代から、地域のニーズに即した住民本位の行政サービスを提供して行かなければ、夕張市のように住民からソッポを向かれる時代になっているといえるでしょう。このような地方分権の時代は、同時に各自治体間の格差の拡大を招く結果も産み出すことになるのです。

 さらに、今後の超少子高齢社会においては、住民たちは自分の住む自治体の福祉サービスの充実度や税などの負担割合に対して敏感になることが予想されます。そこへ団塊の世代をはじめとするシニアがリタイアしてくると、どこに住むかの判断基準は、「税や受益者負担の軽いことや手厚い福祉サービスが受けられること」などが、大きなウエイトを占めるようになると思われます。

 この記事にいう「田舎暮らし志向」と相俟って、 「住民の負担が軽くて福祉サービスの充実した自治体」が選択される時代になりつつある、といっても過言ではないでしょう。つまり、地方分権の観点からも“自治体は住民から選ばれる時代”へと変化しつつあるのです。

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December 04, 2006

№558 どこに住むか選ばれる自治体

 スパンブリーのリゾートホテルにて
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 06年11月26日、朝日新聞の記事からです。 「これからどこに住むか、自治体を選ぶ時代」というのです。記事では、人口減が著しい地方の市町村では、大都市圏からの移住者を誘致する動きが盛んで、07年から定年を迎える団塊の世代をターゲットにしたケースが多いといいます。各地の自治体は移住者への支援策を掲げていますが、人気が高いのはやはり“気候や住環境のよい自治体”のようです。

 なぜ市町村が移住者の誘致を競うかというと、人口減や少子高齢化、若者の流出による地域の活力の低下が、その理由だというのです。そのため、中高年層を呼び込むことで経済効果を上げることが狙いなのです。
 その意味では、団塊の世代にとっては、定年後都会に住み続けるか、田舎に住むか、自治体を選びやすい時代になったとも言っています。内閣府の調査でも、都市に住む50歳代の28.5%が「田舎に移住したい」と回答していますので、 「自然が豊かで、生活費も安い」田舎暮らしへのニーズは、かなりありそうだと、記事は書いています。
 なお、国土交通省の委託調査では、2つの地域に住む人は約100万人(05年)で、2030年には約1080万人と推計しています。

さらに「田舎暮らしはしたいが、移住までは」という人には、都会に家を残したまま、地方にセカンドハウスを持って週末に往復するか、民宿などを利用して長期滞在する「2地域居住」という方法もあると紹介しています。
 このフレーズはロングステイと同じですし、 「自然が豊かで、生活費も安い」という理由もタイをはじめとするアジアの国々と共通だと思い当たります。まさに国内版のロングステイですね。確かに国内の移動は海外へ行くことに比べるとはるかにハードルが低く、リスクも少ないので、調査の推計のように「田舎に移住する」シニアが急増するかもしれません。

つづく 

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August 28, 2006

№486 団塊の世代はリタイアできるのか

  スパンブリーの朝の田園風景
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 来年から順次、「団塊の世代」が定年退職を迎えます。いわゆる「2007年問題」です。
大量退職に伴って労働者人口の減少や永年培われてきた“ものづくり”の技術の継承問題、さらには年金保険をはじめとする社会保障制度など、日本の社会システムや制度が大きな転換期にさしかかっています。

 さて今回の話題は、 「団塊の世代が、定年後ハッピーリタイアメントを迎えることができるのか」ということについてです。先日、わたしの元の職場の後輩から、メールがありました。彼は専門学校の学生の就職活動を支援するセクションで、地元企業の求人開拓を担当しています。

 メールの要旨は「団塊の世代はすんなり退職できない」というのです。景気の回復に伴い各企業は、採用意欲が活発になっているといわれています。その背景には「2007年問題」を前に、次世代を担う若い社員を入れておかねばという思惑があるようです。
 そのため、昨年から高校生の就職率が好転していて、今年も各企業は特に工業系の高卒を採用しようとしています。 しかし、大手企業の大量採用で地場の中小企業まで人材が回ってこないのではと、人事担当者は心配しているとこのこと。
 また、学卒の就職環境もバブル経済時代のように、企業が内定者を囲い込むような状況になってきているそうです。

 「団塊の世代」が退職し、若い世代を確保できた企業が生き残るのではないかと、後輩は言います。でも、大企業でない限りすんなりと世代交代ができないかもしれないとも言います。それは良い人材は大企業に採られ、中小企業では若手の採用は難しいと予想されるからです。仮に採用できても使い物にならない若者ばかり。
 そうなると中小企業は、定年退職者の再雇用しか方法がないのではと言うのです。
 
 ポスト「団塊の世代」ということで言えば、特に中小企業では人手不足が大きな問題になると予想されます。豊かな経験や優秀な技術を有する健康な方であれば、定年後も企業は引き留めることでしょう。中小企業であればなおさらです。
 60歳の定年でハッピーリタイアメントして、海外でのロングステイを楽しめる人は、大企業に勤めていたような一部の方になってしまうのでしょうか?

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July 20, 2006

№449 少子化対策と団塊の世代

     カレン族の子どもたち
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 日本の出生率が、5年連続で過去最低を更新し2005年は1.25となったことが、先月発表されました。 また05年の国勢調査速報でも、日本の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は21.0%と世界最高になる一方、15歳未満は13.6%で世界最低になり、高齢化・少子化ともに世界で最も進行した国になったことが報告されました。

 7月3日の「地域の子育てに団塊世代」という朝日新聞の記事からです。
 少子化対策の柱の一つとして、政府が力を入れているのが「地域の子育て力」の向上だ。専業主婦の「密室育児」を防いだり、世代間交流を進めたりして子育てしやすい地域環境をつくろうという試み。いま注目を集めているのが、団塊の世代。大量の定年退職者が出る07年以降をにらんで、この世代を対象にした子育て支援講座も計画されている。
 政府の「新しい少子化対策」では、地域の子育て支援の重要施策として「地域の退職者、高齢者等の人材活用による世代間交流の推進」を盛り込んでいる。また別の報告書でも「団塊の世代が人生や職業生活で培ってきた能力を地域の子育て支援に発揮できるようなシステムが必要」としている。

 04年にNALC(ニッポン・アクティブ・クラブ)が50~79歳の意識調査を実施したところ、将来参加したい社会活動は、団塊の世代を中心にした定年前世代の3割近くが「ボランティア活動」を挙げた。
 代表の高畑敬一さんは「子育てに喜びを感じてもらい、出生率をあげるには地域の力が必要。ボランティア意識の高い団塊世代をNALCに迎え、子育て支援の力を高めていきたい」と話す。

 少子高齢化といわれて久しいですが、予想を上回るスピードで進行しています。これまで介護を中心とした高齢化に伴う諸問題が注目されてきましたが、最近では少子化の方が日本社会に深刻な影響を与えるのではないかと思っています。将来の社会の担い手である子どもが減少し続けると、働き手が少なくなるばかりではなく、社会保障制度を初めとする日本の社会システムが根底から揺るぎかねないからです。
 高齢者の比率は増加することはあっても高齢者の数自体が増える訳ではありませんが、出生率の低下は生まれてくる子どもの数の減少に歯止めがかからない状況を示しています。このような状況に対して、財政再建のさなか政府は有効な対策を打ち出せないままです。
 この記事でいう地域の子育て支援の一翼を団塊の世代が、担うことを願うばかりです。

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July 14, 2006

№443 地域にデビューする

 ブログ「ココログ」のメンテナンスのため、12日に配信できませんでした。お詫びいたします。

    チェンライの王立植物園
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 会社人間だった男性にとって、定年後どのように「地域デビュー」するかは、大きな課題です。その事例紹介の記事が、7月6日の朝日新聞に載りました。

 3年前、定年を迎えた東京都墨田区の吉田修さん(64)。「地域のために何かしたら」という妻のヤスコさん(59)の勧めで入った地元ボランティア団体で、今は会長として忙しい日々を過ごしています。
 墨田区のシニア活動施設「いきいきプラザ」。週3回開かれるパソコン教室を、吉田さんは時々のぞくことにしている。平均60歳を超える参加者たちは、老人クラブの会報や暑中見舞い、俳句集を作ったり、孫とのメール交換をしたり。思い思いに楽しみながら学ぶ。

 吉田さんは高卒で入った外資系のコンピューター会社に42年勤めた。5年前に引っ越してきたが「ずっと隣人の顔も知らなかった」。 一方、社交的なヤスコさんは町内会に出たり、生協の勉強会に参加したり、最近は家で近所の人に英会話を教えるなど、地域と積極的に付き合ってきた。

 03年夏。吉田さんの定年退職を前に「ずっと会社人間だったから、居場所に困るだろう」と心配したヤスコさんは、区の広報紙で「てーねん・どすこい倶楽部」立ち上げのニュースを知り、すぐに入会を勧めた。人材を登録し、ボランティアが必要な場所やイベントに紹介したり、教養セミナーを開いたり、中高年の生きがいづくりを支援していくという。
 8月、吉田さんは「パソコンなら教えられます」とシニア人材バンクに登録。12月から教え始めた。最初の1年間は戸惑いの連続だった。会員は個人経営者や専業主婦など様々。物事を決める手順や団体行動のルールなど、会社とはすべてペースが違う。意見の衝突もあった。
 それ以上に、会員の個性に目を見張った。 「個性をどう生かすかが大事なんだと気づいた」。吉田さんの個性は事務局で発揮されるようになった。そして04年1月、年長の会員に「4月から会長に」といわれた。

 パソコン教室の参加者は累計180人を超え、「教え子」が今は講師を務める。近所に知り合いが増え、道であいさつしたり、あいさつされたりが、いつの間にか当り前になった。 「こんなに変わるとはね」とヤスコさん。

 吉田さんの場合は、自分の技能や個性を生かしたボランティアを通して、上手に地域デビューができています。
ご近所に知り合いが増えて、スムースに会社人間から地域人間へと変わることができた訳です。
 そのためには「個性をどう生かすか」がポイントだとおっしゃっています。何か他の人に役立つ自分の経験や技術などを地域社会に還元していくことが、地域にも喜ばれるし、自分自身の生活のはりあいにもつながるはずです。 リタイアして失った仕事という社会的な役割を、自分の個性を生かすことで新しい役割を創造してみてはいかがでしょうか。

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June 10, 2006

№410 定年後の職業観

  破壊された仏像 アユタヤにて
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 立命館大学産業社会学部 前田信彦教授の「定年後の職業観」 (2005)という論文からです。

 人口の高齢化の進展は日本の雇用システムにも大きな影響を与えつつある。とりわけ団塊の世代が高齢期に入る今後は、高齢人口の増大とともに、これまでの職業経験あるいは生活経験を生かした多様なキャリア形成の制度の構築が必要である。そこでは高齢者を単なる「社会的弱者」として捉えるのではなく、社会を支える「アクティブ・エイジング」の世代と位置づける発想が重要となるであろう

 前田教授は、高齢期の生活と職業キャリア形成について、いくつかの考察を述べています。
 まず第1に、定年の意味の変化という点である。
 定年退職のイメージとして「経済的に苦しくなる」という割合は1991年からの10年間に増加しており、中高年齢者の雇用状況は厳しいものであったことが推測される。にもかかわらず「新しい人生が開ける」「自由な時間が取り戻せる」などの肯定的イメージも増加しており、この点で定年退職を第2のキャリア形成期と位置づけるような転機として前向きに意味づけるような定年文化が構築されつつある
 
 第2に、職業キャリア志向の多様性という点である。
 定年を迎える前の中高年層のキャリア志向は、妻の就業状態や世帯収入などの経済的条件によって左右される傾向が見られる。特に定年退職後にボランティア活動を志向する層は、経済的に恵まれた中高年である。しかし、定年退職後は同一企業グループで雇用延長や出向を志向する者は全体の23%程度であり、定年を契機とする職業キャリアの展開はボランティア活動や独立開業志向など多様性を持っている

 第3に、会社への関与を示す「職業的自律性」は、職業キャリア志向の多様性を促す1つの要因である。
 分析では、「長期継続雇用を前提に生活設計している」という項目は、概ねどのキャリア志向の者にも支持される傾向が見られたが、しかし「社外との交流」「個人的な職業能力の開発」や「転職・独立の準備」などは、ボランティア活動志向や、独立開業志向に多くみられた。
 このことは、職業的自律性の高い、非組織的・非会社的な志向を持つ中高年は、定年を契機として多様なキャリアを展開する可能性を持っているといえるだろう。雇用継続以外のボランティア活動志向や独立開業志向の者は、在職中から会社以外との関与を求めている。 つまり“会社人間”からの離脱現象は、とりわけ定年後の雇用継続を設計する者以外には、徐々に共有され始めていると推測できるであろう。
 さらに、定年後は雇用労働のみならず、ボランティア活動などを含めた多様なキャリア形成を支援することが社会的にも要請されるだろう。

 もっと長い論文なのですが、考察についてかなり端折って紹介しました。
 団塊の世代が、定年退職を第2の人生を切り拓く契機とする肯定的なイメージとして捉えつつあるといっています。また、長期雇用を継続する志向だけでなく、ボランティア活動や独立開業志向など多様なキャリアを形成する可能性があることを示唆しています。
 その中でも、これらを志向する方の“会社人間”からの離脱現象が、在職中から準備され始めていることは注目すべき点です。定年を迎えてからリタイア後の生き方や人生を考えるのではなく、在職中からその準備をすることは重要ですし、それが“会社人間”からの早期の切り替えや個性的で新しいシニア像を創造することにつながると思われます。
 団塊の世代が「アクティブ・エイジング」の世代として、超高齢化社会を支える主役になることを期待したいものです。

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May 25, 2006

№394 第二の人生も「団塊流」

 メオ族の美しい刺し子の民族衣装
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 2006年5月17日の西日本新聞の記事からです。その概要を紹介しましょう。
 「団塊の世代」の多くが健康に自信を持ち、自宅でパートナーとお酒を楽しむ。自らの葬式も「自分流」で演出しようと考えている―。そんな団塊像が、各社のアンケートから浮かび上がった。来年から大量定年時代を迎えるが、「第二の人生」を自由に楽しもうとする雰囲気が伝わってくる。

 団塊の世代は心身ともに概ね充実しているようだ。ヤクルトが1947~49年生まれの男女400人を対象にした「健康意識調査」によると、心が「とても元気」と回答したのは14.5%。「まあ元気」と答えたのは、全体の81.0%だった。

 「定年後をどうイメージするか」(複数回答)の上位は、「好きなことができる」(41.3%)「働いている」(31%)「のんびりしている」(29.8%) これを男女別にみると“姿勢”の違いが出た。女性は「好きなことができる」(44.5%)「のんびりしている」(36%)が上位で、定年後を前向きにイメージしている。
 一方、男性は定年後も「働いている」と答えた人が最も多く(41.3%)、18.5%が「暇を持て余す」と答えるなど、切り替えに戸惑っている印象を残した。

 このアンケートを見ると、やはり女性に比べて男性の方が、定年後の生き方の具体的なイメージが描かれていないようです。 定年後も「働きたい、働かなくてはいけない」という男性が4割を超えています。しかし「暇を持て余す」と答えた男性が2割近くもいるのです。
 会社という組織の中で仕事中心の生活や人生を送ってきた男性にとっては、“仕事が生きがい”だったり“趣味は仕事”ということも少なくないと思われます。 定年というライフステージを迎えて、その後の20年間どうやって生きていくのかをイメージして構想しなければなりません。 定年で仕事に区切りをつけて終わりではなく、どのようなシニアライフを送るかが、残りの人生を豊かで生き生きとしたものにするか否かの分岐点なのです。
 5年後10年後、どのような自分になっていたいのか、どんなことをしていたいのか、じっくり考えてみる。そこから始めてみてはいかがでしょう。

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May 15, 2006

№384 新書「10年後の日本」

   チェンライの王立植物園にて
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 「10年後の日本」(文春新書)というタイトルの新書を本屋さんで見つけました。 消費税二桁化、団塊の世代の大量定年、学力衰退、500万人のフリーター、年金崩壊、熟年離婚ラッシュ。 『日本の論点』編集部が豊富なデータを駆使し、47項目の社会問題を取り上げ、その未来を簡潔にやさしく解説、という帯の宣伝文です。その中の「鍵をにぎる団塊世代」という章の一部を紹介しましょう。

○第二の人生 ― 世界一長い余生を楽しく過ごす 
 戦後のベビーブームの中で誕生した団塊世代、およそ700万人が職場を離れ、第二の人生へ漕ぎ出そうとしている。再就職できるのは一部に過ぎないだけに(本書ではそう予測している)、彼らにとっては、長い余生をどう過ごすかが切実な問題になってくる。

 団塊といえば、受験戦争世代のはしりで、60年代には学園紛争に燃えたが、やがて当然のように企業へ就職し、経済成長の恩恵を受けた。 典型的な会社人間だった彼らは、定年後も働きたいと願う一方で、田舎暮らしへの憧れや帰農願望も強く、第二の人生をめぐる価値観は一様ではない。ボランティア活動、趣味三昧、新たな事業の展開、大学への再入学、過疎地や海外への移住など、選択肢は広がるばかりだ。

 朝日新聞が東京に住む団塊世代を対象に実施した意識調査によると、老後に暮らしたい場所として「東京」と答えた人が7割(女性8割、男性6割)を占めた。男性の4人にひとりは「故郷」「故郷以外の田舎町」をあげている。別の調査では、田舎暮らしをしてみたい場所の1位は「沖縄県」、次いで「北海道」「長野県」があがった。
 ちなみに女性の方が東京志向が強いのは、ほとんどの場合、夫の故郷に同行するのが嫌だからである。概して団塊世代の男性の多くが、こうした妻の本音に無頓着だ。

 “終の棲家”として団塊世代に圧倒的な人気を誇る東京都は、04年に「団塊の世代の活用についての報告書」を発表した。それによれば、現時点で地域社会と積極的に交流していると考えている団塊世代は多くない。 主な理由は「地元をほとんど知らない」「経験がない」「地域の人と接することが少ない」からだ。
 しかし、「その時(退職期)になったら考えてみたい」「これまでの経験を生かして社会貢献をしてみたい」など、地域活動への参加意欲そのものは旺盛といっていい。ボランティア活動やNPOに対する関心も高まっている。今後は、各地のコミュニティの担い手として、引退後の団塊世代が重要な役割を果たすようになるだろう。

 07年から定年退職を迎え始める団塊世代の「第二の人生」への意識が浮かび上がっています。これまでもそうであったように、団塊の世代の価値観は多様で「第二の人生」への選択肢もさまざまのようです。ただ気になるのが、社会貢献や地域活動への参加意欲は強いものの、地域社会と積極的に交流している人が、現時点ではまだ少ないという点です。
 典型的な会社人間として生きてきた彼らは、自分の住む地域をほとんど知らなかったり、ご近所と接する機会も少なかったりというのが現状かもしれません。こうしてみると「会社人間」から「地域人間」として生きていくには、まだまだハードルが高いようです。

 たとえば、自分の関心がある分野の活動をしているボランティア団体やNPOを調べてみる、できればちょっとでも参加してみる。そんなことから始めてみはいかがでしょうか。 「行動する」ことから、新しい発見があり、気づきがあります。最初の一歩を踏み出すことから、新しい第二の人生が始まるのです。


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May 10, 2006

№379 団塊8人が寺子屋塾

  プルメリアの花 アユタヤにて
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 2006年5月4日、西日本新聞の記事からです。
 地域に根ざした「団塊新文化」をつくっていこう。鹿児島に住む団塊の世代の男性8人が今春、異業種交流グループ「団塊寺子屋・夢追塾」を結成した。 焼酎を飲みながら夢を語り合い、若者たちに新しい地域文化を伝えていくことを目指している。 「次世代のお荷物にならず、はつらつと生き抜く」というのが8人に共通する思いだ。

 参加資格は「郷土を国際的な視野で語り、焼酎をこよなく愛飲する団塊人」。 “塾則”は、①健康より元気が一番(病気がちでも元気なら新しいことが始められる) ②故郷の誇りを失わない ③次世代に残す地域文化の構築 の3つだ。 鹿児島シティエフエム専務の米村秀司さん(57)が世話人となり、知り合いの焼酎会社や建設会社の社長、大学教授、ホテルマンらが集まった。

 発足会は4月8日、鹿児島県日置市にある米村さんの自宅庭で開いた。
ねんりんピックに最高齢テニス選手として参加し、会員らが「こんな高齢者になりたい」という石神兼文・鹿児島大学藻元学長(89)も塾顧問として参加。 会員の皆村武一・同大法文学部教授が「海外メディアは明治維新をどう報道したか」をテーマに語った後、中央と地方の格差や地域活性化について意見交換した。

 焼酎は飲めなくてもいい。郷土イコール鹿児島でもない。思い出や体験談など過去の話ではなく、これからどうするかを語り合うのがルールだ。米村さんは「組織で肩書きを持っていた人が定年退職後、地域社会の活動に参加しても、昔の体質が抜けず命令口調になってしまい、結局脱会するケースが多いという。今のうちにいろんな業界の人の話を聞き、新たなことに挑戦していきたい」と話している。


 2007年から定年を迎え始める団塊の世代が、どのようにしたらはつらつと生きられるのかが大きな課題です。「元気で生き生きとした高齢者」になりたいというのは、みな共通の願いだと思います。 それには、退職後肩書きがなくなって、自分の住む地域社会で個人として暮らしていくための工夫が必要です。現役時代の意識やものの考え方を地域に生きるひとりの個人として、少しずつ変化させていかなければなりません。
 この鹿児島の事例のように、異業種の人たちが集まって焼酎を酌み交わし、過去の話ではなく将来の夢を語り合うという取り組みは素晴らしいことだと思います。

 これまでの考え方や生き方を一旦遮断して、現在の自分を見つめ直し、将来の夢を構想する。はつらつとした生き方をするために、このようなプロセスを経ることは、会社中心の人生を送ってきた人にはより有効だと思われます。肩書きを外して、 “素の自分”として新しい人間関係や地域社会での付き合い方を構築し直すことが重要です。 鹿児島の取り組みは、その実践例として期待されます。また海外のロングステイもそのような機能があると考えています。
 団塊の世代のみなさん、少しずつ「はつらつと生き抜く」ための準備を始めましょう。

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April 28, 2006

№367 退職シニアの知恵 地域で生かせ

アユタヤのワット・チャイワッタナラーム
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 2006年4月22日の朝日新聞からです。

 07年から大量退職期を迎える団塊世代の知恵や力を地域での市民活動に生かしてもらおうと、各地のNPOをつなぐ初めての全国組織として、NPO法人「地域創造ネットワーク・ジャパン」が5月に設立される。中核となる地域センターを全国約100ヵ所に設置。 ボランティア活動に参加したい人やNPOを立ち上げたい人などの相談に乗り、退職シニアの地域参加を応援する。

 財団法人「さわやか福祉財団」、NPO法人「市民福祉団体全国協議会」(市民協)など、すでに多くのシニア世代が活動している5団体の連携を足がかりに、シニア世代を対象とした相談・研修事業や人材・技能の登録などにあたる。
 全国ネットを通じ、シニア世代が参加したいNPOを探すための合同説明会や、退職前に「地域デビュー」に備える講座、NPOを設立する人のためにノウハウなどを提供する。

 東京都が03年に実施した調査では、団塊の世代でボランティアやNPO活動に参加している人は1割だったが、5年後のイメージとしてこうした活動に参加したいとした人は4割を超えた。
 関係者の間では、こうした意識を持つ人の参加を促す環境整備が急務との認識が広がる一方、団塊の世代の企業などでの経験が、行政では対応しきれないサービスを地域で担う新たな「コミュニティ・サービス」の創造につながる可能性があるとの期待感が出ている。

 以上が記事の概要です。いよいよ2007年問題に対して、具体的なアクションや活動が実施されるようになってきました。
 ボランティア活動やNPOに参加したいと思っていても、情報が得られずに具体的にどうしてよいのか分からないという団塊の世代も多いのではないでしょうか。 5年後には団塊の世代の4割がボランティア活動などに参加したいとした一方、現在1割に止まっているというのは、まだ現役だからというだけでなく参加を促す支援・サポートが十分ではないとも考えられます。これまでの「会社人間」から「地域人間」として生きていくための支援が必要なのです。
 定年を迎える団塊の世代が、うまく“地域デビュー”を果たし、その知恵と経験・技術を地域社会でぜひ生かしていただきたいものです。

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March 22, 2006

№334 種子島 団塊の世代を受け入れ

  チェンライのナイトバザールにて
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 3月15日の朝、NHKを見ていると「鹿児島県の種子島が団塊の世代を誘致」という九州エリアのニュースが放送されました。全国各地で取り組まれているように、来年から定年退職を迎え始める団塊の世代に移り住んでもらって、島の活性化を図ろうとする内容でした。
 具体的には、住宅の紹介、就職の斡旋、島のしきたりや生活情報の提供などを検討しているとのこと。インターネットで詳しい内容を検索したのですが、このニュースに関するものはヒットしませんでした。誘致に積極的な北海道だけでなく、南の鹿児島でも動き出しているようです。
 そこで、関連の情報を2つ紹介します。

その1
 平成17年6月、種子島西之表市・長野力市長の市議会での施政方針演説の一部です。

「交流と絆の基礎づくり」について
 人・物・情報等を活発化させながら、地域振興を図るための仕組みづくりの研究、検討を推進いたします。具体的な施策としましては、団塊の世代が退職期を迎え、その社会的損失は多額なものに上るといわれておりますが、これら世代の種子島定住や滞在型観光のニーズ調査、受け入れ態勢の整備を促進するため、シニアタウン構想の研究・検討を行うとともに、小川香料跡地についても利用に関する検討を進めてまいります。
 少子高齢化が進み、日本全体が人口減少社会へ移行しようとしている現在、新しい社会を見とおした地域振興策はどうあるべきか、地域の実態を考慮に入れ、足元をしっかり見つめながら考えてまいりたいと思います。 


その2
 つぎに時事通信社が配信する「官庁速報ヘッドラインメール」からです。

「民間の視点で観光戦略を再構築」
 九州新幹線(鹿児島中央~新八代間)が昨年3月に営業運転を開始し、開業効果に沸いた鹿児島県の観光。
県商工観光労働部の原田耕藏部長(はらだ・こうぞう=57)は、「南北600キロにわたる広い県土、種子島・屋久島や奄美大島など自然豊かな離島、多彩な食文化…。こうした特性を前面に打ち出し、鹿児島の魅力を売り込んでいきたい」とPRする。

 県は新たな視点から観光戦略を再構築しようと、2005年9月「観光プロデューサー」を県観光連盟に配置する。JTBバンコク支店長などを歴任した其田秀樹氏(54)を3年間の任期付きで起用。民間の専門知識を生かして、観光素材の発掘や商品化などに当たってもらう。2011年春の九州新幹線全線開業を見据えた戦略だ。
 開業2年目の今年度は、「愛・地球博」に観光客が流れたこともあり、鹿児島の観光も1年目と比べてやや苦戦気味。だが原田部長は「これからはスローライフ・スローフードの時代。離島など自然豊かな鹿児島は、癒やしを求める人たちの心地よい受け皿になり得る」と潜在的な可能性をアピールする。
 今後退職を迎える団塊の世代の取り込みにも狙いをつけ、 「彼らは行動的なシニアで、多様な目的を持って旅行する。そういう人たちを満足させられるような企画を立てていかなければいけない」。観光プロデューサーにもこうしたアイデアを期待するという。 (2005年8月3日配信) 

 実は観光プロデューサーの其田さんとは懇意にしていて、タイのロングステイについてもいろいろとご教授していただいています。 鹿児島県知事から是非にと請われ、JTB九州から出向されてご活躍中です。
 其田さんの民間のノウハウと行動力を生かして、種子島はじめ鹿児島の地で、他にはない個性的なプログラムを展開されることを期待しています。

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March 11, 2006

№323 長崎市 団塊の世代を誘致

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 2月24日の西日本新聞の九州版の記事「定年後の団塊世代誘致」からです。

 長崎市は、2007年度から退職者が増える団塊世代をターゲットに、農園付き住宅などで定年後の第二の人生を長崎で過ごしてもらうための事業に乗り出すことを明らかにした。
 同市は昨年1月以降、近隣7町と合併したが、国立社会保障・人口問題研究所が04年に発表した人口推計では、30年後に旧長崎市で約30%の人口減が指摘されるなど、県都空洞化の危機に直面している。
 合併を機に、海や山に囲まれた自然豊かな旧町の特色を生かして人口減に歯止めをかけようと、都市部に住む団塊世代の夫婦に狙いをつけた。

 計画では、新年度はまず、天然温泉のある伊王島地区に長期滞在型の農園付き住宅を2棟用意。1年間滞在してもらい、地元住民との交流や農業を満喫してもらう。移住希望者用として1区画300平方メートル土地を4~5棟分整備するほか、市営住宅や市民農園、民間の空き家も紹介する。
 ホームページに関連情報を掲載し、首都圏でもPRする予定。反響を見ながら、住宅や区画の拡大を検討する。
 同市総合企画室は「団塊世代の人たちが地域に入ることで、地元の活性化にもつながる。ぜひ長崎に住んでほしい」と呼びかけている。


 このような田舎暮らしを希望する団塊の世代を誘致するプロジェクトを、全国の自治体が本格的に取り組み始めています。しかし、ハード面に関する計画は多いようですが、それに伴うソフト面の話があまり出てきません。
 移住しようとする人たちが、どのようにしたら地域社会と交流し根付いていけるのか、どのようにシニアの経験や技術、そして意欲を活かすことができるのか、などのプログラムが必要です。受け入れ側は「その土地に骨を埋めようか」と思わせるような魅力を備えなければなりません。やはりハード・ソフト両方があってこその定住だと思いますし、地域の活性化にもつながると思うのですが。

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March 04, 2006

№316 私の「団塊」流

   チェンマイのワット・プラ・シン
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 47年生まれの団塊の世代、寺島実郎さん(日本総合研究所理事長)のインタビュー記事の抜粋です(2月20日の朝日新聞)。

 一つの世代がもつ「価値観」というのがある。それは時代の流れを受けながら共有され、次の世代、子の世代に影響を及ぼしていく。 残念ながら、団塊の世代のものの見方や考え方は、程度の差こそあれ「経済主義」と「私生活主義」を掛け合わせたような価値観だった。 経済主義は、経済に異様なほど価値をおいた対米過剰依存の拝金主義でもあった。
 個人主義は、体制が抑圧しようが自分の思想、哲学、信仰は守り抜くという気迫に満ちた生き方です。しかし、私生活主義とは、自分の生活空間を守っていたいという程度のライフスタイルであって、個人主義でも何でもない。

 今、団塊の世代は、定年とかいって立ちつくしているが、 「社会の問題に立ち向かおう」と心からいいたい。
 日本は高齢化社会の重要な転換点に立っている。団塊の世代が「笠の雪」になって次代にのしかかるのか、社会を支える側に回るかで、今後の社会は大きく変わる。

 僕は、国家や権力の強制ではなく一人ひとりが主体的に参加する「パブリック(公共)」の重要性をいいたい。 パブリックとは「官」と「民」の間に横たわる概念だが、人間社会は誰かが公的分野を担わなければ成り立たない。その公的分野で何ができるのか。自分の好みや気質に合ったテーマを見つけ、労力、金、知恵、技術を提供しあう。それこそ今日の時代と社会が求めているものなのだ。

 実際、そうした動きは出始めている。会社に埋没してきたオヤジたちが各地で会社を超えた地域ネットワークを作り、環境や地域の若返りなど身近な問題で行動を起こそうとしている。


 団塊の世代である寺島さん自身が、団塊の世代を客観的に考察し、今後の日本社会に対する公的貢献を呼びかけています。同世代へのエールといってもいいでしょう。
 シニアが社会の負担になるのか、社会を支える側になるのか、どちらの道を歩むかで、これからの超高齢社会は大きく異なってきます。高齢社会の重要な転換点を迎えているのです。
 団塊の世代をはじめとするシニアが住み慣れた地域に戻って、ひとりの個人として寺島さんがいう「パブリック(公共)」のために貢献するような日本社会であってほしいものです。わたしもその一員として行動し、支援していきたいと考えています。

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February 25, 2006

№309 団塊の世代 田舎に定住希望

   少数民族メオ族の村にて
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 「団塊の世代の3割 田舎に定住望む」、2月19日の西日本新聞の記事です。

 内閣府は18日、都市と農山漁村の共生に関する世論調査の結果を発表した。それによると、都市部の住民で「週末は田舎で過ごしたい」と考えている人の割合は、2007年から定年を迎える団塊の世代で最も高く、半数近くに上った。また、50歳代のうち3割は定住を望んでいることも分かった。
 調査は、団塊の世代のカントリーライフに対する意識などを探るため、全国の成人男女3000人を対象に初めて実施。

 都市住民で、週末の田舎暮らしを望む人は37.6%。これを年齢別にみると「50歳代」が45.5%と最も多く、
次いで「60歳代」41.4%、「40歳代」36.2%などとなった。
 また、田舎での定住願望が「ある」と答えた人は20.6%で、「ない」は76.0%。年齢別では「20歳代」の30.3%が最多で、「50歳代」28.5%で続いた。
 定住を望む人に何が必要と思うか複数回答で聞いたところ、「医療機関の整備」43.8%、「安価な家屋・土地」43.5%、「必要な情報全般の入手」41.3%が上位を占めた。

 この記事を読んで内閣府のHPを開いてみました。
田舎での定住願望が「ある」と答えた人を男女別でみると、男性(25.7%)が高く女性(16.3%)は低くなっています「ない」と答えた人を職業別でみると、主婦が最も高かったことも含めて興味深い結果です。

 団塊の世代が実際に田舎に定住する場合、いくつかの課題があります。
 第一に、定住する地域に働いたり、活動したりする受け皿があるかということです。 「まだ働きたい」「地域で役に立つボランティア活動をしたい」また「仲間がほしい」という意欲があっても、地域にそれを受け入れる条件や環境が整っているのかが重要になります。それには地域の情報が入手しやすいか、地域に溶け込みやすいかということも関連してくるでしょう。
 第二に、これら意欲がある人たちへの支援の問題です。 田舎で仕事やボランティア活動を希望する人たちへの支援策が必要になります。 住居の情報提供や仕事の斡旋、紹介などに取り組む自治体も出てきているようです。定年後の団塊の世代を取り込もうと意欲的な自治体です。
 仲間づくりについても行政や地元住民、NPOなどのサポートが欠かせません。

 受け入れる側の農山漁村地域の住民は、都市住民が週末滞在することを「良いことだと思う」と総じて好意的です。
 さらに「都市住民の滞在の機会を増やすにはどうすればよいか」について農山漁村地域の住民に聞いています。 「農作業などを体験できる施設や指導できる人材を増やす」(44.8%)「地域ぐるみで協力し合い受入体制の整備を図る」(39.5%)など積極的な姿勢がうかがえます。

 団塊の世代が田舎暮らしで活性化すると地域社会も活性化する、そのようなシステムが出来上がってくることを期待したいものです。


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February 14, 2006

№298 団塊の世代が地域に帰るとき

 チャオプラヤー川を航行する運搬船
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 今年1月、朝日新聞の社説に連載された「団塊のあした」というシリーズからです。

 会社人間だった団塊の世代が、定年退職で地域やふるさとに戻ってくる。そのエネルギーを活用する場をつくろうという構想を、今年60歳を迎える民主党の菅直人氏が呼びかけている。これは彼らを取り込もうとする戦略でもあるのですが。

 また約700万人といわれる団塊の世代が、定年退職によって支える側から支えられる側に回る。彼らの退職金や年金を社会全体に回せるかどうか。それが超少子高齢化に直面する日本にとっての重要な鍵だ。 「起業するとしてその出資額は?」という50代男性への千葉県の自治体のアンケートでは、101万円から200万円が最も多かった。
 自治体には、こうした意欲や資金を無駄にしない支援が必要だ。地域でどんな事業や活動が求められているか、どこにどんな仲間や人材がいるか、きめ細かい情報や学びの場を提供することだ。

 支えられる側に回った団塊の世代が今後、どう動くのか。その選択が社会のあり方を変えていく。たとえば年金だ。この世代が生涯にわたって受け取る公的年金は、支払う保険料総額よりかなり多い。現役世代の「仕送り」に頼る賦課方式の年金制度には無理がある。

 「生まれた年ごとに共済保険を作り、皆が加入する。同じ世代同士で助け合う仕組みを設けたらどうだろう」。
日本政策投資銀行の藻谷参事役はこう提案している。
 年金を減額して現役世代の負担を減らし、本当に生活に困っている人には世代内共済保険で給付を補っていく。世代を超えた縦の助け合いに、横の支え合いを加える。不足する分があれば税で補ってもいい。こんなアイデアだ。
 これなら若い世代の不満も解消できるし、引退組の納得も得られるのではないだろうか。検討してみる価値はある。

 このように年金をはじめ、予想を上回る少子高齢化の進展によって日本の社会保障制度が大きく変動しようとしています。 社会保障の枠組みそのものを再構築する時期に来ているようです。
 年金の面からみると、団塊の世代は支えられる側になるかもしれませんが、まだまだ現役として地域社会を活性化させ支えて欲しいものです。 それには、記事でいう地域社会における「きめ細かい情報や学びの場の提供」が重要になります。 つまり、団塊の世代が地域に帰ったときの“受け皿や居場所”が必要なのです。
 この受け皿を拠点にして、地域にどのようなニーズがあり、どのような仲間がいて、自分たちは何ができるのかを考える、そして地域活動へと展開したいものです。 活動を通して地域と関わり社会貢献にもつながる、そんな生き方が団塊の世代の人生を豊かなものとし、地域社会を活性化させていくのです。
 団塊の世代が活き活きと生きていくかどうかに、日本の将来がかかっているといえるでしょう。

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February 05, 2006

№289 団塊の世代 地域リーダーに

   チャオプラヤー川のクルーズ
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 「北九州市、生涯現役夢追塾を開設へ」という記事が、2月2日の西日本新聞に載りました。

 戦後のベビーブーム時代に生まれた「団塊の世代」が2007年から大量に定年退職を迎えることから、北九州市は、定年後の同世代にこれまでの経験を生かしてビジネスや民間非営利団体(NPO)などの分野で活躍してもらおうと、人材育成講座「生涯現役夢追塾(ゆめおいじゅく)」を開設することが一日、分かった。
 趣味を楽しむような従来型の高齢者対策とは違い、経営指導やベンチャービジネス支援の投資事業などに取り組む地域リーダーを育てる。 全国的にも珍しい取り組みで、市は新年度当初予算案に事業費約3800万円を計上する。

 日本の高度経済成長を支え、経験豊富な同世代は、定年後も何らかの形で社会で活躍する場を求めている人が多く、若い世代への技術継承も課題となっている。
 このため、同塾では、地域活性化につながる起業、大学などでの講師、地元ベンチャービジネス支援の投資事業の3コースを設定。 大学教授や証券会社のフィナンシャルアドバイザー、社会保険労務士などを講師に迎え、必要な知識や若手への指導法などを伝授する。講習のほか企業などで現場経験も積む。
 今年6月から来年3月まで週一回、市の施設で開講。北九州市在住か同市へ通勤する50歳以上が対象で、定員90人を予定。受講料は5万円を見込んでいる。
 
 来年からの団塊の世代の定年退職に備え、各地の自治体でいろいろな取り組みが始まっています。 地方の過疎地では、第二の故郷としてこの世代に移住してもらおうという事例が、先日テレビで紹介されていました。
 この記事を読む限り、北九州市の場合、経営指導やベンチャービジネス支援の投資事業など、ビジネス主体の人材養成を目的としているようです。 さらに、地域の活性化を志向したボランティア活動やNPO法人の中心となる地域リーダーの養成や活動の場づくりにも取り組んでもらいたいものです。

 しかし、それ以前に気にかかることがあります。それは「仕事が趣味だ」という仕事人間タイプの方です。関心や意欲がある人は、このような養成講座がなくても自分でどんどん行動されるでしょう。
 仕事人間タイプの方がそのまま定年を迎えると、今までの生活とのギャップが大きくなりがちです。 肩書きがなくなった生活に戸惑い、個人としての生き方が身に付いていないと、家に引きこもりになる場合もあるのです。

 このようなタイプの方こそ、定年後の生活や生き方のついて準備をする必要があります。 本人は自覚してなかったり、なかなか行動に移れないことが多いでしょうから、奥さんや娘さんあるいは友人の協力や、シニアを応援するボランティア団体やNPO法人の支援が欠かせないものとなります。
 少しでも興味や関心が持てる分野の講演会やセミナー、地域活動などの体験参加を勧めてみる、一緒に参加するなどから準備を始めましょう。
 

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January 25, 2006

№278 団塊の世代の村上春樹

 遠くに霞むワット・アルン(暁の寺)
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 小説家の村上春樹氏は、1949年生まれの団塊の世代です。村上氏の小説・エッセイは好きで時々手にします。 エッセイの「村上朝日堂」から最近は長編小説「海辺のカフカ」まで、文庫本を中心に気に入ったものを読んでいます。

 今読んでいるのが、 「やがて哀しき外国語」という文庫本です。村上氏が1991年から約2年半にわたってアメリカのニュージャージー州プリンストンに住んでいた時期のことを書いています。 少々古い話ではありますが、その当時の村上氏の心情やまわりの出来事を記録としてまとめてあります。

 その中の「アメリカ版・団塊の世代」という章からです。

 日本における僕らの世代が今何を一番問題にして、何を実行しているだろうかと考えると、もう一つ明確なイメージがわいてこない。 まあ世の中にはいろいろと頑張っている人もいるだろうし、何もしていない人もいるだろう。 でも実際問題として、大多数の僕と同世代の男性は毎日の仕事がとにかく忙しすぎて、余計なことなんて何もできないという実情ではないだろうか。
(中略)
 でも僕も今度日本に落ち着いたら、何か自分にできることを身近に探してみようという気にはなっている。 これはボランティアとか社会活動みたいなことをするから偉くて、しないから駄目ということではない。 いちばんの問題は「自分にとって何ができるか、自分は何をしたいのか」というのを見つけることだと思う。 別の言葉で言い換えれば、どこまで自分の疑問を小さく具体的にしぼり込んでいけるかということになるかもしれない。 アメリカに来て、いろんな人々(とくに同世代の人々)に会って話しているうちに、そういうことについてわりに考えるようになった。
 僕はずいぶん長いあいだ「世代なんて関係ない。個人がすべてだ」という考え方でそれなりに突っ張ってやってきたわけだけど、僕らの世代にはやはり僕らの世代の独自の特質なり経験なりというものがあるし、そういう側面をもう一度洗い直して、それで今何ができるかということをあらためて考えるべき時期に来ているのかもしれないと思う。

 この文章は、90年代の初めに書かれていますので、村上氏が40代前半の頃の心情を著わしたものです。 プリンストン大学のキャンパスで学生と交流し、小説を書く日々を過ごした滞在は、現在の海外でのロングステイと共通するものがあると思います。
 ちょうどバブル経済の最中で仕事に追われている同じ世代を冷静に見ながらも、自分も同じ世代と同様な特質なり経験なりを持っていると自覚しています。 それは、日本を離れアメリカに永く住み、アメリカの同世代との交流の中で、はじめて意識されたものかもしません。
 そして、団塊の世代の一員としてのアイデンティティを感じながら「自分にとって何ができるか、自分は何をしたいのか」と自分のこれからを考えています。

 これまでを振り返り、自分を見つめ直し、これからの生き方や人生を考える。まさにこれが、海外での生活やロングステイを通して得られるものといえるでしょう。
 今年57歳を迎える村上氏、今はどのような想いなのでしょうか。聞いてみたいものです。

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January 19, 2006

№272 自分の居場所

    国立植物園の胡蝶蘭
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 ここでいう“自分の居場所”とは、実際に自分が居る場所のことであると同時に、心の中の居場所でもあります。 それは、自分にとって快い場所であることはもちろんのこと、家族にたいしても、そして地域社会にたいしても心地よい居場所でありたいものです。
 では、どのように自分の居場所を見つけ出すかというより、どのようにして創り出すかということについてです。

 西日本新聞に連載されている西南学院大学の宮原 哲教授のコラムからです。
 2007年から団塊の世代が定年退職を迎える。心配だ。家族、特に夫婦間の人間関係。夫が一日中家にいて、三度の食事を作らないといけない。 でも家事は手伝ってくれないという生活で、妻が心身に異常をきたす「夫在宅ストレス症候群」が心配されている。
 永年お互いのことはよく分かっているはず。でも、そう思っているだけで、家の中だけではなく相手の心の中に自分の居場所を築いてきたか、というと本当はそうではない場合が多い。
 年末年始を海外や故郷で過ごして戻ってきた人たちが、意外と明るい表情で「明日から仕事です」という。
家族に気を使いながら過ごした窮屈な時間から解放されて、自分の居場所がある仕事に戻れる、という安堵の表れだとしたら、ちょっと考えた方がいい。

 今から自分の居場所を増やしておこう。あちこちで居場所を見つけられる人は、自分をいろんな側面から見て、自分の多面性に気づいている人である。 
 まず、近くにいる人たちとの対話を頑張ってみよう。少々の意見の食い違いは接点がある証拠。いろんなことについて話してみたら、お互いの新しい発見につながるかもしれない。 家族、それに地域や趣味を通した関係に今から投資をしておくと今後につながる、と宮原教授はいっています。

 定年後は、これまでの肩書き付きの人間関係から、個としての新しい人間関係を創らないといけません。そのためには、地域社会における居場所が必要になってきます。 この居場所は、コミュニティの交流の場であり、地域活動の拠点でもあります。そして、地域社会における新しいネットワークを形成していくのです。
 新しい人間関係を創るには、まず “行動する”ことが大切だと思います。自分の関心があること、たとえば趣味、ボランティア、地域活動などを参加してみることから始めるのです。 考えるよりも行動することです。 「最初の一歩を踏み出せるか」が大きなポイントになります。小さな一歩目が踏み出せたら、後は続けるだけです。
 行動すると必ず、新しい気づきや発見があります。その中で自分が好きなこと、継続できそうなことを見つけ出していきましょう。そうしたら自分の居場所がきっと増えていくはずです。

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November 28, 2005

№223 団塊世代の定年後を考える

   チェンマイのナイトバザール
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 戦後のベビーブーム時代に生まれ、2007年から大量の定年退職が始まる「団塊の世代」。その生き方を見つめようというセミナーが、北九州市でスタートした、という11月21日付けの西日本新聞の記事を紹介しましょう。

 会社という縦社会で長年突っ走ってきた世代の人たちが、定年に伴う喪失感をどう克服し、家庭や地域に「居場所」をどう見つけるか。 このセミナーは、事前の意識改革を勧めて「軟着陸」を目指す試みといえる。
 セミナーは、団塊の世代と前後の年代を対象に市立生涯学習総合センターが主催し、来年2月までの計10回。 大学教授やボランティア関係者、社会保険労務士などが講師になり、①地域でのコミュニケーション ②趣味・特技を活かした仲間づくり ③家庭でできる健康プログラム ④生活設計、などを話し合う。
 
 受講者は35人。このうち肝心の男性は14人と、いまひとつ少ない。 小倉南区の山本国丸さん(57)は、管理職で定年は2年半後。「会社組織の人間として幅広く付き合ってきたつもりだが定年後は別。 地域の人たちと目線を一緒にし、溶け込んでいけるか不安がある」と明かす。これといった趣味はなく、「生きがいを見つける足掛かりにもしたい」という。

 上下関係が支配する会社に属し、競争原理の中で長年生きてきたサラリーマンにとって、日々の暮らしを根底にした横社会である地域は、異質といえる世界。 肩書意識が抜けきれず、価値観の転換が図れなければ、定年後を過ごす場所として居心地はよくないだろう。
 そうした事例は既に先輩世代に見られる。だが逆に、数が多い団塊の世代は地域づくりを担う原動力になり得るという意見もある、といっています。

 また、福岡市博多区でも定年退職後の生き方を考える「アクティブ・シニア支援講座」が、開かれている。 この講座も、高齢者に長年培った経験や技術を地域活動やボランティアに生かすなど、はつらつとした日々を過ごしてもらうのが狙いである。

 このように2007年問題といわれる団塊の世代の定年を控え、各自治体も定年男性の受け入れと、地域社会の活性化に力を入れ始めている。

 ところで、開講に先立つ新聞記事の求めに応じて、実は北九州市に対してこのセミナーの内容や講師の申し込みをしていました。地域活動の参考事例として古賀市の「えんがわくらぶ」や、定年後の生き方探しとしてのロングステイの紹介などを提案していたのです。 しかし、残念ながら北九州市からは何の返事も来ませんでした。
 今回の記事を読んで、セミナーの成果を期待しつつも、行政の官僚的というか機能面で疑問を感じたのでした・・・。

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November 11, 2005

№206 「2007年問題」とロングステイ その2

     ローズガーデンにて
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その2

 これまでのタイでの調査やいろいろな方のインタビューから、ロングステイが持っている役割や機能を考えてみます。

 ロングステイの機能のひとつとして、これまで会社中心の人生を送ってきた男性が、定年を機に日本での日常生活を離れた海外で、これまでの人生を振り返り、自分を見つめ直し、これからの人生を再構築する“ヒントやきっかけ”が得られるのではないかと考えています。
 つまりロングステイは、日本での生活や社会の基盤から切り離され、第2段階の海外での生活をとおして、本人の社会的役割をリストラクチャリング(再構築)し、第3段階である帰国後の生活で、これからの人生に活かす新しい社会的役割を再創造する機能があると考えられます。
 それは、ロングステイによる日本の社会構造からの解放というインパクトが、本人を一旦日本社会から切り離した上で、その関係性のない海外という異文化の空間と時間を媒体として、改めて社会との関係や社会的役割を再検討する機会を与えているからです。

 とりわけ団塊の世代は、定年とともにこれまでの「タテ社会」の人間関係ではなく、地域における「ヨコ社会」のネットワークを形成することが課題になってきます。 会社人間から地域人間にシフトするきっかけとして、ロングステイの体験によって、これまでの人生をリセットしこれからの人生を考えるヒントが得られるかもしれません。
 団塊の世代が、定年後タイでのロングステイによってリフレッシュし何かを得て、日本に帰国して地域社会に戻り「地域人間」として生きていく。これまでの「タテ」の人間関係から、個人と個人がつながった「ヨコ」の人間関係やネットワークができたら素晴らしいことだと思います。
 それこそが“元気で明るい高齢社会”を創造するのではないでしょうか。

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November 10, 2005

№205 「2007年問題」とロングステイ

  
    チェンマイ門市場にて
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その1
 最近、2007年から60歳の定年退職を迎え始める「団塊の世代」が、注目されています。 団塊の世代は、1947年から49年の3年間に生まれた683万人の人たちをいい、その前後の世代の出生数よりも倍近い世代です。
 団塊の世代が、定年を迎え高齢者の仲間入りをし始めると、その数の多さから今後の消費拡大が期待される一方で、職場での技術の継承ができないことや年金の増大などが心配されている。いわゆる「2007年問題」である。

 しかし、11月7日の西日本新聞で、団塊の世代の“名付け親”である堺屋太一さんは、2007年問題によって「大増税が必要」「年金の大幅引き下げも不可避」という悲観論は当たらないと寄稿しています。
 勤勉に働いてきた団塊の世代が、定年後はまったく働かないとは考えられない。60代はまだ元気、大部分は定年後も働きたいし、働くだろうと予想しています。 定年によってこれまでの終身雇用・年功賃金の縛りから解放され、安価で自由な労働力として働き続けるというのです。
 再就職しても所得は減少するのですが、所得の低下以上に子どもの独立や住宅ローンの完済などによって、支出がそれを上回るほど減少するために、かえって可処分所得は増えると予想しています。

 そして、定年後重要なことは、本当の「好き」を見つけることだと強調しています。何時間やっても飽きない趣味、誰にでもしゃべりたくなる事柄を見つけて、同好の士を募る。 人間、好きは上手、60歳からはじめても70歳までにはひと角の通になり、仲間の期待と尊敬を集めるはずだ。世の中は、職場職業でつながる職縁社会から、同好の士が集う好縁社会に転換するだろうと、団塊の世代にメッセージを送っています。

 さて、ここで問題なのは、堺屋さんがいうこれまでの職場職業でつながる職縁社会から、同好の士が集う好縁社会に、どのようにして転換できるのかということです。 自然に社会がシフトしていく訳ではなく、これから定年を迎えようとする個人、一人ひとりの問題であり、課題なのではないでしょうか。
 職縁社会、つまり企業や組織というタテ社会を機軸にしてきた人間関係から、会社組織を離れた地域社会などにおいて、ヨコ社会の人間関係やネットワークづくりをどうやって構築するのかという課題です。個人と個人が、肩書きののないひとりの人間として、この記事でいう本当の「好き」を通した関係を取り結べるこかということです。
 そのひとつの対応としてのロングステイを考えたいと思います。

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September 15, 2005

№149 「団塊市場」とロングステイ

   チェンライの植物園にて
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 約700万人ともいわれる団塊の世代が60歳定年を迎える、2007年から09年にかけての退職一時金は、総額50兆円にも上る。人口が多いため通常の年を3~6割多い計算になるのです。
 この巨額な退職金による「団塊市場」をめぐって、色々な企業がシニア向けの商品やサービスの開発にしのぎを削っているという特集記事が、9月3日の朝日新聞に掲載されました。
 
 最近は平均寿命が延びた影響で、50~60歳は親の死去による相続が最も相次ぐ年代とされている。現在、1年間で相続される金融資産(不動産は含まない、預貯金など)は、少なくとも10兆円に上るという試算がある。
これらの退職金や相続によって受け取る金融資産は、企業にとって垂涎の的なのです。
 団塊リタイアの影響は、既に消費に表れているという指摘があります。最近の薄型大画面テレビにみられるデジタル景気を支えているのはシニア層だという見方があります。 早期退職や関連会社への転籍で、前倒しで退職金をもらう団塊の世代が増えているためではないか、と分析されています。

 各企業もふくらむ商機をねらって、戦略を練っています。近畿日本ツーリストの新会社クラブツーリズムは、営業戦略をシニア層に特化し、JTBはロングステイの専門部署をつくり、この10月から一般向けの窓口「JTBロングステイプラザ」を東京日本橋にオープンします。

 団塊の世代の定年によって、旅行の内容やスタイルもさらに多様化することでしょう。 また、海外でのロングステイ人口も増加し、滞在スタイルや目的も団塊の世代の志向を反映させていくでしょう。滞在中の安全、病気などのリスクやトラブルへの対応、あるいはロングステイを充実したものにするサポートも当然必要になってきますが、この点については別の機会に書くことにします。

 多様な価値観と消費意欲の強いこの世代の行動は、これまでもそうであったように定年後も新しい社会現象ともいえるような影響を及ぼしていくことになるのです。 新しいシニアの出現が、豊かな金融資産を背景にして新たなシニアマーケットを形成し、新しいシニア世代のライフスタイルやシニア文化を創出していくに違いありません。
 リッチシニアの増加が、消費の質を変えていくのは間違いないと記事は結んでいます。
 

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August 10, 2005

№111 「団塊の世代」とロングステイ その3

  水上マーケットへ向かう途中
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その3
 前回、ロングステイのプログラムやボランティア活動・NGO活動の受け皿の提供など、の課題について触れました。
 では具体的にどのようなプログラムや受け皿が考えられるでしょうか? たとえば、次のようなものが挙げられます。

1.働く場の確保
   これまでの経験や技能を活かして、まだ働きたいという方へのサポート。

2.ボランティアやNGOなどの志向に対する受け皿
   タイの社会に貢献したい、また教育支援活動などを行っているNGOのお手伝いや活動に参加したいというニーズ。

3.定年から「新しい働き方」へシフトする時のロングステイ   「好きな仕事」の志向に応えるプログラム。たとえば農業体験など。

4.農業希望者とタイとの接点(ボランティア、あるいは農業指導者)
  とりわけ、食の安全との関係から有機栽培や無農薬栽培などの農業指導ができる方が求められるでしょう。

 これらは、ビザや労働許可書の問題とも密接に関係してきますので、この問題をクリアにしていくことが、前提条件になってきます。
 2005年8月1日、日本とタイとのFTA(自由貿易協定)が、ようやく合意しました。工業製品の関税撤廃に伴なう経済連携だけでなく、労働力や人的交流もその障壁が緩和されてくることになるでしょう。将来の日本の高齢者の看護や介護を担うのは、タイやフィリピンの若い人たちになることでしょう。
  
 団塊の世代が定年後、ロングステイを通してタイの社会に貢献する。そしてタイでリフレッシュし何かを得た後、日本に帰国して地域社会に戻って“地域人間”として生きていく、そのようなサイクルができあがったら素晴らしいことだと思います。

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August 08, 2005

№110 「団塊の世代」とロングステイ  その2

    水上マーケットにて
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その2
 団塊の世代の8割以上がサラリーマンです。そのため「定年」に対する不安は強く、その不安のひとつは所得(給与)の低下です。 ここで筆者は、 「年金兼業型労働」を提唱しています。
 定年で会社から解放された団塊の世代の「新しい働き方」のキーワードは、「好きな仕事をする」ことといいます。たとえば農業。団塊の世代のUターン志向は、他の世代に比べ抜きん出いて高く、今後、年金兼業型農業従事者が増えると予想しています。
 そして「対個人サービス」が発展すると予想しています。高齢者の一人暮らしや共稼ぎ家庭の家事のアウトソーシングのニーズが増加するでしょう。 その重要な担い手、働き手になるのが、60代になった団塊の世代だというのです。

 所得の低下以上に、支出がそれを上回るほど減少するために、かえって可処分所得は増えると予想しています。支出の減少は、子どもの教育費や住宅ローンの完済、そして老親が亡くなり、介護費用の負担なくなるなどによります。 こうして定年を迎えた団塊の世代の家計は、かってない豊かな消費者の像が現れてきます。
 60代市場の最大の特徴は、買い手の主観による市場だといいます。たとえば、海外旅行において「良質な商品」とは何か? シニアにとっての良質な商品は、本当に心地よい旅行です。自分が好きな地域に好きな時(ベストシーズン)に行き、好きなことをして楽しむことができるのが、シニアということです。 だから、60代こそ贅沢な消費者といっています。

 しかし、現在はまだ、60代マーケットを対象としたサービスの内容や供給ができていません。昨年の「冬ソナ」ブームのように中高年女性を熱狂させる商品を作ろうということことなのです。 ここには、新しい巨大な市場が誕生しつつあるのです。
 常に新しい巨大市場を創り出してきた団塊の世代は、豊富な可処分所得を手に入れ、定年後も「最高の10年」として、巨大な消費者層として日本経済を活気づけるだろうと結んでいます。

 海外旅行だけでなく、その延長としてのロングステイももちろん今以上に注目を浴びるでしょう。ロングステイの対象地が拡がるだけでなく、その滞在スタイルや滞在目的も多様化してくるでしょう。
 とりわけロングステイの目的をはっきりと持つことが重要と考えます。ゴルフ三昧やのんびりするのもよいでしょう。しかし、勤勉で技能や経験が豊かな団塊の世代は、それだけでは満足しないでしょう。
 ロングステイをより充実させ、実り多いものにするためのロングステイのプログラム、ボランティア活動やNGO活動の受け皿の提供など、が課題になってきます。 

 これらの課題に対するプログラムやサービスの提供の支援をしていきたいと考えています。

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August 05, 2005

№109 「団塊の世代」とロングステイ

   チャオプラヤー川のクルーズ
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 「団塊の世代「最高の10年」が始まる」(堺屋太一)より 2007年から団塊の世代が、定年を迎え始める。これに伴なって最近にわかに「2007年問題」と言われ始めている。働き手が少なくなり年金を受給する世代になると社会保障の負担についての問題、労働力不足や熟練工を中心とした技術の継承の問題など、定年延長の問題とともに、いろいろな心配や議論が出ている。
 ここでは、文藝春秋 2005年4月号に掲載された記事を紹介しながら、ロングステイとの関係について考えてみたいと思います。

 「団塊の世代」は、戦後の1947年から1949年までの3年間に生まれた世代で、現在679万人の人口を有するベビーブーマー世代である。  
団塊の世代の特徴が、いくつか述べられている。
1.団塊の世代は、戦争と物資不足を知らない最初の世代であること。
2.経済成長を疑うことのなかった世代である。
3.終身雇用、年功序列をはじめとした組織や制度の中で人生を送ってきた。
4.どんな環境にもただちに順応する従順さを持っている。

 明日の豊かさを信じ、勤勉で、環境順応能力の高い団塊の世代は、高度経済成長の強力なエンジンになりました。 その一方で、団塊の世代がたどってきた軌跡は、そのまま戦後の消費社会の成長ともぴったり重なり合うといいます。 いろいろな流行やブームを捲き起こしながら、団塊の世代が行くところ、常に巨大な市場が開拓されてきたのです。

 「2007年問題」の根底には、60歳になり定年を迎えた団塊の世代が働くことをやめ、若い世代に扶養されて生きていくことを前提とした「団塊お荷物論」があります。
 しかし、筆者はこれを否定し、2007年からの10年間「黄金の10年間がやってくる」と予想しています。それは、団塊の世代が日本人の「年齢観」を一変させつつあるからだといいます。平均寿命の急速な伸びに伴なって、現在の60歳は確実に若くなっていて、戦前の50歳くらいと言っていいでしょう。

 そもそも人類は、だいたい「人生の6割は働く」ことになっているそうで、人生80年とすると、大学卒業の22歳から70歳まで働くというのが、21世紀にふさわしいライフサイクルと筆者はいいます。
 60歳を迎えても、勤勉な団塊の世代は、年金や福祉に頼るだけの生活はとても送れなくて、働きつづけると予想しています。

  つづく

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May 16, 2005

№29 「団塊の世代」のロングステイ その2

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その2
 インタビューで、後藤さんから「ロングステイは必要悪である」というご指摘をいただいた。ロングステイと称して脱出しなければならない日本社会は、おかしい、間違っているというのである。
 「今の日本社会は、大切なものを失っている。お金や物を大切にする日本の拝金主義を変えたい」という。一方、タイの社会は、そのバックボーンに仏教があって「こころの豊かさ」を感じる。
 日本社会をお金中心ではなく、みんなが助け合う社会(共生社会)へ変えたいという。それは“自分がやりたいことがやれる社会”でもある。ニートを呼ばれる若者が、やりたいことをやれる方向へ支援したいと考えている。
 日本のよさを取り戻し、世界の誇れる日本社会を創りたいと願う後藤さんである。

インタビューの感想
 2007年問題が、最近話題となり社会問題として取り上げられている。「団塊の世代」が、2007年から大量に定年を迎え、熟練技術者のスキルが引き継がれないことをはじめ、労働力の不足、年金問題、定年退職後の過ごし方などが議論されている。
 リタイア後、ロングステイを始める人が増加することも予想される。しかし、その滞在目的が大切なのである。
 後藤さんは、タイの社会と日本の社会を冷静に捉え、自分自身を客観的に見つめてきた。そして、これからの人生と将来の日本社会を展望している。この意味で後藤さんは、ロングステイの先駆者といえるのではないでしょうか。
 日本社会からの解放、社会的役割の再構築、そして再創造というロングステイの3段階の機能を、正に実践している後藤さんといえよう。  

後藤さんのブログのURL
http://blog.livedoor.jp/yaoya32983/

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May 15, 2005

№28 「団塊の世代」のロングステイ

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後藤成遵さん (57歳) 

 「新現役の会」の会員の後藤さん。会長の古賀さんからの紹介していただき、2005年3月末、バンコク市内アンバサダーホテルのカフェでお茶を飲みながらお話しを伺う。全くの初対面にかかわらず、後藤さんの人柄ですぐに打ち解けた雰囲気になった。

 後藤さんは、1947年生まれの「団塊の世代」である。49歳の時、コンピューター・エンジニアとして21年間在籍した大手エレクトロニクス企業を早期退職した。ビジネス至上主義で人間性に欠けた当時の上司をみて、「こういう人が大企業のトップになるのだ」と実感し、この企業の将来性に疑問を持ったことが早期退職につながった。
 そして“人生を見つめ直そう”とバンコクにやって来て8年が経つ。10年を一区切りにあと2年くらいで帰国する予定である。現在は、タイ国科学技術庁、電気技術研究センター(NECTEC)で、障害者支援のロボットの研究に携わっている。
 また、「兆州屋」という会社の経営者でもある。日本文化商品(具体的には日本酒や焼酎)の販売を通し、日本伝統文化を世界中に広めることを目的としている。
 そして、高2と小5の父親でもあり、もちろん家族一緒でのバンコク滞在である。

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