№840 呼び込め 外国人患者
これまでも何度か紹介したタイの医療事情ですが、08年3月11日の朝日新聞に、外国人患者を積極的に受け入れるメディカルツーリズムの記事が載っていました。
タイに18、カンボジアに2病院を持つ民間病院グループ「BGH」、基幹のバンコク病院にヘリポートを設置し、昨年11月、患者をヘリで運搬する東南アジア初のサービスを始めた。
バンコク病院には日本人やアラブ人向けの専用カウンター、イスラム教徒用に祈りの部屋がある。スターバックスに日本やイタリヤ料理店、コンビニが並び、15カ国の通訳がそろう。
タイは至れり尽くせりのサービスと価格競争力で売り込みを図る。
民間病院の外国人患者受け入れを推進したのはタクシン政権だった。03年11月に「アジアの健康首都」を宣言。スパやマッサージ、ハーブ産業の振興と外国人患者誘致を合わせた医療ハブ構想を進める。01年に55万人だった外国人患者は、05年には125万人に急増した。
もちろん順風ばかりだったわけではない。
06年9月のクーデターでタクシン氏を追い落としたスラユット政権は、元首相が力を入れた政策に冷淡だった。年間1千万~2千万バーツだった医療ハブ構想の予算はスラユット政権下で300万バーツ(07年)に減額され、医療ハブをテーマとした商談や展示会は中止となった。
それでもBGHの業績は好調だ。チャトリー最高経営責任者によると、01年以降、外国人患者は年平均6割増で昨年は65万人。全患者に占める割合は01年の12%から昨年は30%に。今年は40%と見積もる。
先進国に劣らぬ医療水準、シンガポールの7割、米国の数分の1という治療費の安さ、タイ人医師や看護師のホスピタリティー。
軌道に乗った今、チャトリー氏は「政府に宣伝パンフレットを作ってくれとはもう言わない」と余裕をみせる(記事抜粋)。
記事で紹介されているバンコク病院は行ったことはありませんが、同じバンコクの総合病院バムルンラード病院を訪問したことがあります。高速道路から見える同病院は、巨艦のような威容を誇っています。規模の大きさだけでなく、病院のロビーは5つ星ホテルのそれと見間違えるほどです。そして黒い民族衣装をまとったアラブ人女性をはじめ、外国人患者やその家族の多さに驚かされます。まさにこの記事の通りの光景です。
タイの一般の病院に比べると高額な治療費だという声も聞きますが、医療技術の高さや言葉の問題がないのは、外国人旅行者やロングステイヤーにとって安心ではあります。
ちなみにわたしが利用するバンコクエアウェイズ(PG)は、このバンコク病院グループのオーナーが設立したエアラインです。病院と航空会社の経営とは、日本ではなかなか結びつきませんが、これもタイならではということでしょうか。



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