№930 スラム支援30年
9月8日の西日本新聞の記事からです。
「みんな下の下の下の生活をしている。野良犬の方がよっぽどましだ」。タイの幼児売買を素材にした話題の映画「闇の子供たち」の原作小説にこう描かれたタイ最大のクロントイ・スラム。ここに拠点を構えスラム支援を続けるドゥアン・プラティープ財団が8月31日、設立30年を迎えた。
財団は発足以来、教育支援に力を注ぎ、幼稚園の運営や奨学金制度を充実させた。その結果、30年前は当たり前だった小学校に通えない子どもは激減。奨学金受給者はスラムを中心に約2500人に及び、成績次第で有名大にも進んでいる。
「教育こそが社会を変える原動力。その思いは間違っていなかった。成果は確実に上がっている」。同財団のプラティープ理事長は自負する。
屋台が軒を連ね、タクシーやバイクが頻繁に行き交う。クロントイ中心部はバンコクの普通の街並みと変わらない。しかし路地裏に入ると風景は一変する。トタンと木材で組み立てた粗末な家々。迷路のように入り組んだ一帯は悪臭が漂っている。
クロントイの推定人口約10万人。この数は30年大きく変わっていない。金を貯めて転居する人がいる一方で、仕事を求める地方からの流入者も絶えないからだ。かっては貧困層が大半だったが、安定した収入を持つ層が生まれている。
理事長の夫でクロントイで長く支援活動に携わった秦辰也・近畿大教授は「スラムとスラム外の格差に加え、スラム内格差という二重構造が起きている」と指摘する。
クロントイの事務所1階に子どもたちが遊べる図書館があるのだが、明らかに地元以外の幼い子を見かけるようになった。
カンボジア、ラオス、ミャンマー・・・。クロントイに移り住んできた不法就労の外国人の子どもたちだ。「不法だか
ら当然、学校に行けない。今後、大きな問題になってくる」。経済成長を続けるタイに流入する近隣国の貧困層。近くの港湾で仕事を見つける彼らにとってクロントイは格好の居住地になっている。
同理事長は「スラムが抱える貧困や麻薬といった問題は社会構造と政策を変えないと解決できない」と話している(以上抜粋)。
先頃、同財団設立30周年の記念式典が開催されました。スラムの子どもたちへ教育支援をする福岡の「クルンテープの会」の代理として、バンコク駐在の西日本新聞社の柴田記者が出席されたとのこと。それに伴って今回の記事となったようです。
奨学金を得て勉学に励み、有名大の進学や企業への就職を果たすスラムの子どもたちがいる一方で、新たな貧困層が流入している現実が浮かび上がっています。
なかなかスラムが解消されることはないのでしょうが、日本に住む私としては、せめて子どもたちの奨学金の原資となる支援を続けていきたいと思っています。








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