September 12, 2009

№1117 お洒落なバーストリート

  外国人で賑わうバーストリート
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 アンコールワット観光の拠点シェムリアップ、国道6号線沿いには外国人観光客向けの大型ホテルが立ち並んでいます。昼間は遺跡観光、夜はカンボジアの伝統舞踊アプサラ・ダンスショーを観ながらのブッフェ・ディナー。ショーを観終わったら、ホテルに帰って翌日の観光に備えて寝るだけ。
 とおおよそ、これが団体ツアーのシェムリアップでの滞在スタイルではないでしょうか。

 もう少し街中を歩いたり、庶民の生活ぶりを垣間見ることができたら、旅はより充実したものになるでしょう。
 そこでお薦めなのが早朝から昼間だったら「オールド・マーケット」です。ここは、まさにシェムリアップの庶民生活の縮図。野菜、果物、トンレサップ湖で採れた淡水魚などの生鮮食料品をはじめ、衣料品や日用品、宝石店や手工芸品を山積みにしているお土産店、それに簡易食堂などあらゆる物が並んでいます。
 お土産品は観光地価格ではなく安く買えますが、ショッピングだけでなく、薄暗いマーケットの中を市場独特の生臭い臭いを嗅ぎながら歩いて回るのも面白い。これぞアジアのマーケット、好奇心を刺激されること間違いなしです。

 夜のお薦めスポットは、オールド・マーケットの北側に隣接するエリアの「バーストリート」。その名の通り、飲み屋街です。数十軒のカフェやレストランが軒を並べていて、昼間もお茶をしたりランチを食べる白人観光客がいます。しかしバーストリート賑わいを見せるのは、夜の帳が下りてからです。
 わたしもアプサラ・ダンスショーを楽しんだ後、歩いてみました。華やかなネオンとポップな音楽に包まれたエリアは、お洒落なヨーロッパの街といった雰囲気。どの店もピザを頬張り、ハイネケンビールのグラスを傾ける白人観光客で混み合っています。昼間のシェムリアップとは別世界、まるで異空間に迷い込んだよう。

 バーストリートの中央を走る狭い路地を、酔客の肩に触れながらゆっくりと進みますが、その喧騒に気押されたのか、こちらも酔ったような気分になってしまいました。
 連れでもいれば、一杯飲んで帰るところですが、独りで飲むのは落ち着きません。早々に引き揚げましたが、次回は素敵な女性とグラスを傾けたいものです。

 昼間のオールド・マーケットと夜のバーストリート。そのコントラストが面白いので、ツアーの合間にぜひどうぞ。

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September 10, 2009

№1116 プレダ村の田舎の風景

ナマズの水槽と無邪気に遊ぶ子ども
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 アンコールワット遺跡群のひとつ“東洋のモナリザ”といわれるレリーフで有名なバンテアイ・スレイ遺跡。その見学の帰り、赤い砂埃が舞うデコボコ道をまたガタガタと揺られながら戻ります。次の目的地は、12世紀初頭にスールヤヴァルマン2世が創建した「バンテアイ・サムレ」です。

 車窓からは椰子の木などの樹木に隠れるようにして粗末な高床式の家屋が時々見えます。それだけでも貧困さが伝わってくるほど。乾期の2月、川や池はすっかり干上がり、何も作られていない乾燥しきった田んぼがどこまでも続きます。
 この時期に収穫できる数少ない作物であるスイカが、道路沿いの露店で山積みになっていますが、どれも小玉で色合いも美味しそうにはみえません。

 シャムリアップには戻らず、途中で左に折れて「バンテアイ・サムレ」遺跡へ。遺跡見学の帰り道、茹でずに生で食べる米麺が有名という田舎の集落プレダ村で小休止。車から降りて背筋を伸ばします。
 少し歩いてみました。舗装された道路が通ってはいるものの、集落全体が土埃でセピア色に染まっています。椰子の葉までもです。バイクやトゥクトゥクが数台、そして椰子の実を満載した軽貨物車が、粗末な茅葺の食堂の前に停まっていて、名物の米麺を食べているのでしょうか、男たちが食事をしています。

 商店の店先には沿道で見た小玉スイカが、無造作に積まれています。後日ラオス・ルアンパバーンで見かけた立派なスイカとは比べようもないくらい貧弱なもの。食べてみたいとも思いません。 
 別の店ではナマズを竹串で挟んで炭火で焼いています。そして小さな水槽に入れられた活きたナマズも。その周りを半裸の子どもたちが無邪気に走り回っていて、長閑な雰囲気です。
 ガイドさんの話によると、アンコールワット観光用のホテルが立ち並ぶシェムリアップも、10~15年前まではこの集落と同じ風景だったとのこと。

 田舎の村プレダ、そこには庶民の日常生活がありました。

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February 14, 2009

№1010 移動する水上家屋

   小船に曳かれる水上家屋
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 東南アジア最大の湖、カンボジア・トンレサップ湖。アンコールワット観光の拠点都市シェムリアップから近く、現地ツアーに参加して行ってきました。

 トンレアップ湖は、雨季になるとメコン川の水が逆流して流れ込むため、湖面の面積が乾季の数倍にも膨れます。季節によって面積が大きく変動する湖は、メコンの氾濫を防ぐ安全弁の役割も果たしているのです。
 また、豊富な淡水魚を採って生活を営む漁師などが多く生活していて、彼らの住む水上家屋が湖面に浮かんでいます。ガイドさんの話では、ベトナム系を中心に湖全体で約10万人もの水上生活者がいるんだとか。

 普通の家屋ばかりではなくガソリンスタンドや薬屋も、さらに子どもが通う小学校に中学校、そして病院まで、すべて水上家屋です。ひとつの町を形成していると言っていいほど。湖の大きさが変動し岸辺が一定ではないので、その変化に合わせて、町全体で水上を移動した方が都合がいいのでしょう。

 訪れたのは2月下旬。湖は徐々に縮小している時期とあって、観光船乗り場も湖に流れ込むシェムリアップ川の下流へ下流へと移動していきます。台船の上の学校や病院なども水位が下がった河岸に係留されていて、これも少しずつ移動しているところ。
 そんな中、引越し中の水上家屋をすれ違いました。小船に曳かれてゆっくりと川を下ってきます。台船の上の家ごと、家族や家財道具もそっくりそのまま引越ししていくのです。荷造りは不要なので、ある意味楽かもしれませんが。

 トンレサップ湖の水位に合わせて、上ったり、下ったりを繰り返す引越し。水上生活者にとっては、いつもの年中行事なんでしょうが、面白い引越し風景でした。

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February 12, 2009

№1009 アンコールワットに韓国人観光客殺到

外国人観光客で賑わうアンコールワット
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 多くの外国人観光客が訪れるアンコールワット遺跡。07年2月、初めてのアンコールワットでしたが、欧米人に交じって、東洋系の観光客も多く見かけました。日本人もたくさん来ているものだと思いきや、その多くは韓国人の団体ツアー客です。ガイドさんによると、外国人観光客の中で一番多いのだとか。

 遠くからでも大声の韓国語が聞こえてくるので、すぐに分かりますし、同じキャップを被っていたり、ツアー客特有のシールなどを付けていたりで、その違いは一目瞭然。日本人もいるにはいるのですが、圧倒的に韓国人が多い。韓国ではアンコールワット観光のブームかと思うほどです。
 同じツアーでも日本人は、2~3人から数人のグループですが、韓国人は大勢の団体客で、その人数と賑やかさは日本人の比ではありません。昔の農協さんツアーを思い起こすパワーに、近寄りがたいものがあります。それにそのマナーは、決して行儀がいいとは言えません。

 帰国後、知り合いに聞いてみると、アンコールワットに行ったことがないという返事が多く返ってきます。やはりカンボジアの内戦のため長い期間、観光できなかったことが影響しているようで、どうかすると「まだ地雷が埋まっていて、危ないのでは?」と聞かれることもありました。
 バンコク在住の方々でさえ、意外に行ってらっしゃらない。そういう意味で、相対的に日本人観光客が少ないのかもしれませんが。

 ところで、九州にも多くの韓国人が観光にやってきます。手軽に行ける外国ということで、釜山と福岡を約3時間で結ぶ高速船はいつも一杯です。人気の観光地は、別府や阿蘇、そして暖かい九州でゴルフといったところ。
 昨年春、由布院でもアンコールワットで見かけた時と同じ独特のスタイルの団体ツアー客が、押し寄せて来ていましたし、佐賀のゴルフ場にも大型バスで乗り付けるほどでした。温泉地のホテルやゴルフ場の大切なお客さんになっているとのこと。

 しかし、昨年秋からの円高ウォン安の影響で、高速船の乗客の割合が逆転して、韓国人より日本人の方が多くなっているといいます。ウォン安で割高になった九州観光が敬遠されているのとは対照的に、ブランド品などの買い物で円高の恩恵を受けようという日本人が急増しているのです。

 今、乾季で観光シーズンのアンコールワットですが、今年は韓国人観光客が減っているのでしょうかね。

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December 26, 2008

№985 バンテアイ・サムレ遺跡

   中央祠堂といくつかの破風
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 アンコールワット遺跡群の中でも「東洋のモナリザ」のレリーフで有名な「バンテアイ・スレイ」。その観光の帰り「バンテアイ・サムレ」に寄りました。12世紀初頭にスールヤヴァルマン2世が創建した「サムレ族の砦」の意味を持つヒンドゥー教の寺院です。

 乾燥した赤砂の道をしばらく歩くと、深い緑の中から中央祠堂の上部が見えてきました。下部は高い塀と回廊に囲まれています。
 中央祠堂の姿が、タイ東北部イサーンで見たピマーイ遺跡に似ていると直感しました。タイとカンボジア、国こそ違いますが、同じクメール文明の建造物だと思うと感慨深いものがあります。
 レリーフ(破風)を施した門に建つと、入り口の形そのままに、二重の回廊をくり貫いたように中央祠堂まで見通せるのが面白い。向こう側に立つ人物が、まるで何重もの額縁で縁取られたキャンバスに描かれた人物画のようです。

 狭い入り口を通って中へ。
 第一と第二回廊そして中央祠堂との空間には、かっては水が張ってあったとのこと。道理で回廊のテラスと地面までが深いはずです。もし水があったらどれだけ美しいだろうと、往時に思いを馳せます。

  ヴィシュヌ神と阿修羅の破風
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 第一回廊の門や第二回廊にある東西南北の塔門には、いくらか風化しているものの立派な破風があって一つひとつ見上げます。これらの破風の様式もピマーイとそっくりで、親近感を覚えずにはいられません。
 ガイドさんによると、経蔵に彫られた「8本の腕を持つヴィシュヌ神が二人の阿修羅を組み敷いているレリーフ」と「猿が阿修羅のお尻に噛み付いているレリーフ」が有名なのだとか。
 しかし盗まれたのでしょう、残念なことに何箇所かの破風は切り取られてありません。

 第二回廊のテラスを歩いてぐるりと一周。苔で緑色に変色した石の欄干には、あちこちの蛇神「ナーガ」の彫刻が突き出ていて、独特な雰囲気を醸し出しています。
 またこの遺跡には、アンコールワットでは多用されている微笑みを浮かべた女神デバターのレリーフがないので、一層重厚な印象を受けます。

 アンコールワットのように規模が大きい訳でもなく、「バンテアイ・スレイ」のように華やかさもない遺跡ですが、アンコール遺跡群の多様性と、歴史や風情を感じながら、ゆっくり見学するのもいいものです。

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December 24, 2008

№984 迷路のようなオールドマーケット

    薄暗いマーケットの内部
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 久しぶりにカンボジア・シェムリアップの話題です。

 アンコールワット観光の拠点都市シェムリアップ、トンレサップ湖の観光を終えて、「オールドマーケット」に寄りました。
 名前の通り、早朝から庶民で賑わう古くからの市場で、隣接するお洒落な飲み屋街バーストリートとは対照的な雰囲気です。1辺が約100mの正方形と、こじんまりした市場ですが、地元の人ばかりでなく、お土産品を求める外国人観光客が訪れる観光スポットにもなっています。

 マーケットの周囲には、買い物客目当ての果物の露店、サトウキビジュースや焼餅の屋台などが出ていて、商いの様子を見ているだけでも飽きません。
 大きなジャックフルーツを剥く光景、搾り機に通した堅いサトウキビから多量のジュースが搾れるのに驚き。そして焚き火の上の鉄板で焼く野菜入りの焼餅は、どんな味がするのか等など、興味津々です。

 マーケットの外周は、自転車や客待ちをするバイクタクシーが、雑然と停められていて歩きにくいのですが、日用雑貨や台所用品のお店、素朴な手工芸品を売るお土産屋が多く、ぐるっと見て回るだけでも面白い。わたしもここでカンボジア式のマフラー「クロマー」を買いました。
 米屋もあります。よく見ると大粒・小粒、そして黒米もありますが、どれも細長いインディカ米です。

 市場の中に入ってみました。外の明るさとは反対に、暗くてほとんど見えません。写真を撮るにもフラッシュが必要なくらい。目が慣れるのにしばらく時間がかかります。
 ゆっくりと進んだ通路の先は、野菜売り場でした。ナスにピーマン、トマト、ニンジン、青菜と、色とりどりの新鮮な野菜が所狭しと山積みにされています。肉や川魚も量・種類ともに豊富です。乾物や香辛料など市場独特の匂いも入り混じって、まさにエスニックな空気が充満しています! 正直そんなに長居したくありませんね。
 面白いところでは、ミシンの縫製屋や床屋までありました。何でもありといった感じです。

 狭くて暗い市場内を歩き回って、外に出てみると、予想していた場所ではありません。思わぬ風景が目の前に広がっていて、一瞬自分の居場所が分からなくなります。どうやら暗い市場を歩いているうちに、方向感覚を失ったようです。しかし何度やっても、同じことの繰り返し。
 迷路のようなマーケットの内部。最後まで慣れることはなく不思議な空間でした。

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October 23, 2007

№752 バイヨン寺院展

   「バイヨン寺院展」のポスター
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 太宰府市の九州国立博物館で開催されているアンコール遺跡の「バイヨン寺院展」に行ってきました。ジャヤヴァルマン7世によって12世紀末に建設された仏教寺院バイヨン、何といっても巨大な石造りの観世音菩薩の四面像が最大の特徴です。

 会場には、この四面像の尊顔の写真や遺跡を3次元で再現したCGなどが展示されていました。最終日の10月20日は、研究者によるシンポジウムが開かれていて、ちょうど東京大学の池内克史教授の発表を聞くことができました。
 教授の説明によると、崩壊しつつある遺跡をデジタル化して記録することで、データの保存、分析、そしてコンテンツの展示という意義があるとのこと。1辺が150mもあるバイヨン寺院全体を気球に載せたセンサーでデジタル計測し、5年間に亘ってデータを収集したそうです。遺跡内部に至るまで、その3次元のデータは2センチ刻みという細かなものです。
 そして、壁面の隙間にあって外部からは見ることができないペディメント(破風《はふ》)や、回廊に彫られているレリーフも、その浮き彫りがはっきり分かるほど精密な再現を可能にしています。
 またデータを分析した結果、尊顔の顔が3つに分類できること、近い位置に似た尊顔が多いこと、それはいくつかの制作チームの内、同じチームが制作したらしいから、などいくつかの新発見があったと紹介されました。

 最後にバイヨン寺院を3Dのバーチャルリアリティー映像が上映されましたが、まるで実写のような細部まで表現された映像に驚嘆! 自由自在に角度を変えたり、遺跡内部へ実際に自分が歩いているかのように入っていけます。今年2月、バイヨン寺院に立った時のことをありありと思い出しました。もちろん実体験には及びませんが、たいした映像技術です。

 私の自宅から博物館まで車で10分。入場料は無料。貴重な文化遺産や最新技術を駆使したデジタルアーカイブを身近な所で接することができる幸せを実感した一日でもありました。

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September 19, 2007

№732 後ろ髪引かれるバンテアイ・スレイ その2

    美しい“東洋のモナリザ”
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その2
 広大な敷地を持つアンコール・ワットとは異なり、対照的に周囲が400mとこじんまりとした遺跡ですが、見所がぎっしりと詰まっています。それは塔門の破風や建物の外壁に施された精緻な彫刻の数々が、観る者の目を奪って放しません。ヒンドゥー神話の神々を描いた彫刻は、アンコール遺跡群のどの彫刻よりも優美だと言われていています。彫りが深くて生き生きとした彫刻たちは、千年以上も前に彫られたとは信じられない程の保存状態の良さです。それは赤い砂岩の質が良かったお陰だと言われていて、現代までその美しい姿を間近に観ることができます。どれも素晴らしい彫刻で、ついついシャッターを押してしまいます。

 その中で最も美しいのが、“東洋のモナリザ”とよばれるデバター像です。中央祠堂の裏側に左右に少し離れて彫られている2つのデバター像の内、右側のレリーフです。付近は立ち入り禁止になっていて近づけませんが、身長は1mほどでしょうか。その豊満な姿はしなやかで優美な曲線を描き、表情は柔和で優しい微笑みを浮かべています。この微笑が“東洋のモナリザ”と言われる所以です。左側のデバターよりも細面でやや西洋的、少し首をかしげ伏し目がちの表情が、よりその魅力を増しているようです。
 文化相にもなったフランスの作家アンドレ・マルローが、このデバター像を盗掘し、フランスに持ち出そうとして逮捕された事件は、あまりに有名。それほどデバターの微笑みは魅惑的です。ちなみに彼は後に、この事件を小説「王道」に書いています。 
 少し離れた所からしか、優しい微笑を眺めることができませんが、その美しさは十分に伝わってきます。レンズを目一杯ズームにしてカメラに収めました。

    彫りが深く精緻なレリーフ
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 どこを見ても素晴らしいレリーフの連続で、遺跡全体がクメール芸術の宝庫です。1時間足らずの見学でしたが、暑さも忘れて見とれてしまい、あっという間の時間でした。華があって趣きのあるとてもいい遺跡です。後ろ髪を引かれる思いで、バンテアイ・スレイを後にしました。必ずまた来よう!

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September 18, 2007

№731 後ろ髪引かれるバンテアイ・スレイ

 観光客で賑わうバンテアイ・スレイ
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 アンコール遺跡めぐりの2日目のハイライトは、 “東洋のモナリザ”とよばれる美しい女神像(デバター像)で有名な「バンテアイ・スレイ」。アンコール・ワットの次にお目当てだった遺跡です。

 シェムリアップから車で土ホコリの舞う未舗装路を走ります。途中、乾季で乾燥しきった農地が広がるクメール王朝時代の貯水池の跡「東バライ」や、高床式家屋が点在する農村風景を見ながらの移動です。遺跡めぐりをする車や観光バスとすれ違う毎にモウモウと土ホコリが舞い上がり、チャーターしたトゥクトゥクに乗る観光客は、頭から埃を浴びています。
 シェムリアップから約1時間、初めて橋を渡ります。幅員が狭いため交互通行になっていて、しばらく待たされることに。小さな川には少ないながらも澄んだ水が流れていますが、川底の赤い砂のため水まで染まって見えるほどです。間もなく「バンテアイ・スレイ」に到着。入り口周辺には埃で赤茶けた土産物屋が立ち並び、観光客が乗ってきた車で一杯です。

 “女の砦”を意味する「バンテアイ・スレイ」の創建は古く967年。当時のアンコール王朝の摂政役ヤジュニャヴァラーハの菩提寺であり、シヴァ神とヴィシュニ神に捧げられたヒンドゥー教の寺院です。また赤い砂岩とラテライトで建設された“朱色の寺院”でもあります。
 入り口でチケットのチェックを受け、いよいよ遺跡へ。リンガと呼ばれる円柱形の造形物が並ぶ参道は、外国人観光客で込み合っています。人気の観光スポットというだけでなく、陽がよく当たり遺跡の朱色が際立つ午前中に、観光客が集中するからです。

つづく

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September 14, 2007

№729 機上のビールは最高!

   「Guilin」号 バンコクにて
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 シェムリアップからバンコクへのフライトは、バンコク・エアウェイズ、PG910便。夜の出国便ラッシュの上に、移動のバスは1台しかなく、スタッフの誘導の不手際も重なって、定刻から25分遅れの8時35分になってしまいました。混雑したターミナル内は人いきれで蒸し暑いし、出発の遅延でさらにイライラが募ります。

 2台目のバスを待って、ようやく駐機場へ。時刻表では機材は125人乗りのB717だったのですが、より大型のA320に変更になっています。シェムリアップ・バンコク間は同社の独占路線で、観光シーズンの乗客をさばくために大きな機材にしたようです。日本への帰国便でも搭乗することになる「Guilin」号、機内は主にヨーロッパ系の観光客で満席です。それでもエアコンの効いた機内でホッとします。
 わずか2泊3日のアンコール遺跡の旅で名残惜しいものの、国道6号線を走る車のライト以外には灯りが少ないシェムリアップ空港を飛び立ちます。近いうちにまた、ゆっくりと訪れたいものです。

 バンコクまで50分の短いフライトでも国際線です、サンドウィッチの軽食やアイスのサービスがあって、水平飛行に入るとすぐに配られます。往きの飛行機では頼みそびれたので、今回は軽食をもらう際にしっかりとビールをいただきました。もらったのはタイの銘柄「LEO」ビール。割安の庶民的なビールなのに「最高にうまい」のです。よく冷えていることもありますが、今回飲んだ中で一番美味しく感じます。出発前の蒸し暑さが、より一層ビールを美味しくさせているのは間違いありません。
 遅延したストレスや疲れも吹っ飛び、やっと人心地がつきました。いい加減と言えばそうなのですが、こういう時は“キンと冷えたビール”に限りますね。

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